ダノンネーションズC 福島会場予選で地元勢奮闘、前園氏も激励
2020年04月12日 15:10
サッカー
![ダノンネーションズC 福島会場予選で地元勢奮闘、前園氏も激励](/soccer/news/2020/04/12/jpeg/20200412s00002000213000p_view.jpg)
当日は1都13県から32チームが出場した。予選グループを勝ち抜いた8チームが4枠の本大会出場権を懸けて、4試合の代表決定戦で激突。バディーSC(神奈川)、柏レイソルU―12(千葉)、ファナティコス(群馬)、FCトリアネーロ町田(東京)の4チームが勝利を収めた。
福島勢は7チームが挑戦。バンディッツいわきJrが予選グループを勝ち抜いて、代表決定戦に駒を進めた。試合は世界大会への出場経験もある柏U―12に敗れたものの、地元の大きな声援にも後押しされて確かな足跡を刻んだ。
選手たちにとっては、Jヴィレッジを会場として戦ったことも貴重な経験になった。同地は日本代表チームも合宿などで利用する日本サッカー界の聖地だ。2011年に東日本大震災に襲われた直後から、近隣の双葉郡大熊町にある福島第1原子力発電所に対する災害対応拠点となった。18年にはようやくサッカーができる状況にまで復旧。昨年から8年ぶりに全面的に再稼働となり、ピッチにもボールを追いかけるアスリートたちの躍動が戻ってきた。
大会アンバサダーを務めた元日本代表の前園真聖氏も、福島会場予選の特別な一日を感慨深げに振り返った。「ここはサッカー界にはもちろん、日本のスポーツ界にとっても大事な場所。ダノンネーションズカップもここから世界につながっていきます」。聖地のピッチは、選手たちとともに再びその時を刻み始めた。
3月に予定されていた本大会は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため中止となった。今秋に予定されている世界大会も現在、主催者が開催の可否を協議中。実施が決まった場合、日本代表は上位進出の有力候補に挙げられそうだ。前園氏は「福島予選もレベルが高く、観戦していて楽しかったです。この大会自体がそうであるように、世界を目標としている選手もいると思います」とエールを送った。7月に開催予定だった東京五輪・パラリンピックは21年に延期されたが、ダノンネーションズカップは祭典の幕が下りる瞬間を待つ。
≪12歳以下の世界王者を決める舞台≫ダノンネーションズカップはFIFA(国際サッカー協会)によって国際大会として公認されており、名実ともに12歳以下の世界王者を決める舞台となっている。2000年から始まり、今大会で21年目を迎える歴史を持っている。グローバルアンバサダーを務めるのは元フランス代表のジネディーヌ・ジダン氏。母国開催となった98年W杯ではチームを優勝に導いた伝説のヒーローが、世界中から集まるジュニアアスリートの活躍を見守る。日本代表は、14年ブラジル大会で横河武蔵野フットボールジュニアが唯一となる優勝を飾っている。今大会は秋にインドネシアで予定されており、実施されれば初のアジア開催となる。
≪ダイバーシティーとSDGs推進≫ダノンジャパンは大会に出場する選手たちを全面的にサポートしている。各予選会場では、試合の間の栄養補給としてヨーグルトを提供。福島でも前園氏が選手たちに手渡しして大盛況だった。同社は健康に関する事業と一体となって、ダイバーシティー(異なる価値観を尊重しあう多様性)とSDGs(持続可能な開発目標)を推進している。代表取締役副社長の松田実氏は「日本代表として世界大会に挑むチームも、いろいろな国の選手たちとの交流や料理を味わうことで、ダイバーシティーを体感してほしいです」と期待していた。
▽福島予選 本大会出場決定戦
バディーSC 0―0(PK3―2) FC大泉学園
柏U―12 3―0 バンディッツいわきJr
FCパーシモン 1―2 ファナティコス
FCトリアネーロ町田 0―0(PK2―1) レジスタFC