J参入目指す南葛SC コロナ禍の逆境も前だけ向く 大空翼のように「大きな夢」掲げ…
2020年04月25日 09:30
サッカー
そして今年2月、将来的にJリーグ入りが可能となる「Jリーグ百年構想クラブ」に承認された。J7部相当に当たる都道府県リーグからの承認は過去に例がない。岩本義弘GM(47)は「葛飾区のバックアップが大きかった」。しかし夢への第一歩を踏み出した矢先、新型コロナウイルスに水を差された。
当初3月開幕予定だった都1部リーグは延期。再開の見通しはつかず、練習施設も立ち入り禁止となった。今オフには、元清水の楠神順平(32)、元鹿島のGK川俣慎一郎(30)らが加入。例年よりも早めに体を仕上げてきただけに、岩本GMは「想定はしていなかった」と唇をかんだ。
ただ、相手が強ければ強いほど燃える大空翼のように、南葛SCも下は向かない。選手は仕事後にビデオ会議アプリ「Zoom」を使用し、全員で画面越しにトレーニング。高橋代表の仕事場を一室借り、少人数ごとに分かれて練習も行ってきた。「リスタートとなった時、いい状態で開幕に臨めるように」と前を向いた。
原作で大空翼が「W杯優勝」の夢を掲げたように、チームにも大きな夢がある。岩本GMは「葛飾区にJ1基準のスタジアムを作る。サッカーだけではなく、キャプテン翼ミュージアムがあり、ショッピングセンターや宿泊施設もある複合施設を作りたい」。そのためにも、今季は地域リーグの関東2部への昇格を見据える。
「これから先、何度も足踏みはしてもいい。ただ、今年だけは絶対に足踏みをしてはいけない。スタジアム建設の機運を上げて行くためにも、2020年は絶対に昇格する」。南葛SCの“サクセスストーリー”は始まったばかりだ。(清藤 駿太)