稲本 黄金の一撃でW杯初勝利をもたらす 02年日韓大会 新たな歴史の扉開く

2020年05月17日 06:20

サッカー

稲本 黄金の一撃でW杯初勝利をもたらす 02年日韓大会 新たな歴史の扉開く
2002年W杯日韓大会1次リーグ・ロシア戦の後半6分、先制ゴールを決め仲間を指差し歓喜の疾走する稲本潤一 Photo By スポニチ
 【Lega-scene あの名場面が、よみがえる。~サッカー編~】 昭和、平成の名場面を本紙秘蔵写真で振り返る「Lega―scene(レガシーン)」。サッカー編最終回は2002年W杯日韓大会。フィリップ・トルシエ監督率いる日本は02年6月9日、横浜国際競技場で行われた1次リーグ第2戦でロシアと対戦した。後半6分、稲本潤一が2戦連続ゴールを決めて、1―0でW杯初勝利。勝ち点を4に伸ばし、決勝トーナメント進出に前進した。
後半6分、左サイドの中田浩二がクロスを送る。
ペナルティーエリア内の柳沢敦がワンタッチで前線へ。
オフサイドぎりぎりで飛び出した稲本は左足でトラップ。
GKの手が届かないコースを狙い
冷静に右足で蹴り込んだ。
初戦のベルギー戦では
W杯初勝ち点につながる得点を決めたボランチが
2戦連続ゴールで日本にW杯初勝利をもたらした。

98年フランス大会後に招へいされたトルシエ監督は
ユース代表、五輪代表、A代表の指揮官を兼務し
若手の強化に力を注いだ。

フランス人監督の秘蔵っ子が
99年世界ユース選手権ナイジェリア大会で準優勝した
稲本、小野伸二、高原直泰ら「黄金世代」だった。
中田英寿ら上の世代も加わったチームで挑んだ
00年シドニー五輪で8強入り。
W杯でも活躍が期待された。

順風満帆ではなかった。
高原はエコノミークラス症候群で
W杯メンバーに残れなかった。
小野は直前に虫垂炎を発症し万全ではなかった。
決勝トーナメント進出は開催国に課せられた使命。
重圧がかかる中
一躍ヒーローになったのが稲本だった。


 《平均視聴率66・1%》 まさに歴史的勝利だった。ロシア戦の観客は6万6108人。中継したフジテレビは66・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という驚異的な平均視聴率を記録した。小泉純一郎首相がVIP席で観戦。終了直後に日本の控室を訪れ、稲本と抱き合った。当時、イングランドの強豪アーセナルに所属していた稲本は「日本は世界と比べて差があるし、経験不足と思うけど、この勝利で勢いに乗っていける」と話した。その言葉通り日本は第3戦でチュニジアに2―0と快勝し、決勝トーナメントに進出した。

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