「サッカー辞める子が出て欲しくない」…SNSでプレー動画募集した仙台大・吉井監督の思い
2020年05月21日 09:15
サッカー
インターハイ中止は大学側にとっても痛手だ。相次ぐ全国大会の中止でスポーツ推薦の選考基準を失った。今年は高校3年生の視察を一切できていない現状に、吉井監督は「高校生は3年目で急激に伸びる子が多い。そういう子が埋もれてしまう可能性がある」と訴える。だからこそ、動画を募集して最低限、高校生に挑戦する機会を与えるつもりだ。
動画は2年時のプレーを中心に4、5分程度。その中で自身の特徴や、それを生かした動画とする。ただ、動画だけでは選手の人間性を判断することはできない。団体競技とあって、規律を守れるかなどピッチ外の姿勢が問われるが、指揮官は「そこは1番近くで見てきた監督がよく分かっている」。指導者同士の密な連絡を取り合って選考する。
高校だけでなく、大学サッカー界も揺れている。多くのJリーグスカウトが視察する8月の総理大臣杯は史上初の中止が決定。Jリーグ内定を目指す大学4年生にとっては、不安の毎日を送っている。送り出す側、受け入れる側、両方の気持ちが分かるからこそ、吉井監督は「ここでサッカーを辞める子が出て欲しくない」。一本の動画が、高校生の未来を切り開くかもしれない。(記者コラム・清藤 駿太)