仙台・岡部智樹トレーナー コロナ禍で仕事内容激変も 明確だった“やるべき”こと
2020年05月21日 12:00
サッカー
アスレチックトレーナーを務める岡部智樹(38)の仕事内容は大きく変わった。普段であれば障害予防、体調管理、応急処置がメイン業務。練習前に選手のコンディションチェックやテーピング、個人のウオーミングアップのチャックや補助を行い、練習中は選手の動作チェックや負傷時の対応を役割としている。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってトレーニングできる状況ではなくなり、「チーム全体への注意喚起や定期的な連絡、また選手やスタッフだけでなく家族を含めた体調把握がメイン業務になった」と変化は如実だ。
ただ、岡部にとって“やるべき”ことは明確だった。クラブが活動をやめていた時期の選手各自の練習メニューは、フィジカルコーチが参考となるメニューを共有。チーム全体の練習を想定し、現段階でピークを持っていこうとせずにコントロールしつつ、一方で全体トレーニングが再開した際にすぐにケガをしないようにある程度体は動かすように選手たちに話した。
「ボールを蹴るために必要な筋肉にある程度の刺激を入れておかないと、負荷がかかって痛みやすい。ランニングやウエートトレーニングだけではなく、少しでもボールを蹴って、実際のプレーに必要な筋肉を使った方がいいと自主トレのアドバイスをしました」
日本にサッカーが戻る日は必ず訪れる。Jリーグの村井満チェアマン(60)は19日の理事会後にオンラインで会見し、Jリーグ再開日程の指針を29日をめどにまとめる意向を示した。Jリーグでは4週間の準備期間を設ける予定で現時点では7月に無観客での再開が現実的だ。ピッチで選手たちがボールを追う姿を思いながら、岡部は自分にできる準備を全力で進めている。(敬称略)
◆岡部 智樹(おかべ・ともき)1981年(昭56)5月25日生まれ、神奈川県出身の38歳。日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー。04年から08年までJ2山形でトレーナーを務め、09年からは仙台で選手のコンディショニングチェック、動作チェックなどで手腕を振るう。16年に一時的にチームを離れたものの、19年から復帰。杜(もり)の都で長らくサッカーに携わっている。