カズの本当の価値
2020年10月01日 08:30
サッカー
プロ野球担当だった頃、ロッテ時代の落合博満を取材したが、彼もだれも見ていないところでよく練習した。全体練習が休みの日に川崎球場の室内練習場で打っていた。ホームベース上で横向きに構えてマシンの球を打った。試合前の練習でもティー打撃でボールの芯を叩くのではなく、ボールの数ミリ下を叩いてほぼ真上にスピンをかけたボールを打つ練習をするなど自分だけのメニューがあった。達人は練習もマニュアル通りに決められたことをやるのではなく、自分で考えてやっていた。
監督やコーチが用意したメニューをしっかりやればうまくなる。だが、傑出した選手になるには、探究心を持って、自分で練習を工夫することが必要だとこの2人から教えられた。
カズは筋肉を見ただけでも、今でも相当なトレーニングをしていることがわかる。天才ではなく、努力の人だからこそここまでできたと思う。そして何よりも重要なのはサッカーを極めようとする気持ちがあるから。それがなければここまで来ることはなかったと思う。
若い選手にはぜひ、カズの記録だけでなく、プロセスも目標にしてほしいと思う。