仙台MF道渕、DVで契約解除 包丁持つ写真など掲載週刊誌で“新事実”が決め手
2020年10月21日 05:30
サッカー
![仙台MF道渕、DVで契約解除 包丁持つ写真など掲載週刊誌で“新事実”が決め手](/soccer/news/2020/10/21/jpeg/20201020s00002179683000p_view.jpg)
クラブによると8月9~10日にかけて道渕と女性との間にトラブルがあり、14日に女性の関係者から電話を受けて事案を認識したという。その日のうちに道渕から事情を聴き、17日に自宅待機させることを決定。渡辺雅昭取締役は「9月5日の時点で示談が成立したという報告を(道渕の)弁護士から受けた」と説明した。
仙台市内で行われた約1時間10分の会見では、道渕が逮捕されたのか否かの質問が相次いだ。9月7日午前に警察から事情聴取を受け同日午後に帰宅を許されたが、クラブ側は明確な返答を避け、弁護士からのみ事情を聴いていたことを強調。「警察から説明がなく、私たちは逮捕を確認していない。当該選手の弁護士から任意同行を求められた、釈放されたと。何があったのかという中で、逮捕状を執行されたようだという話があった」と説明するにとどめた。
道渕は仙台市出身の26歳。屈強な体を生かし、力強いドリブルで右サイドを駆け上がる攻撃的なスタイルに加え、数少ない地元出身選手として屈指の人気を誇っていた。だが、甲府に所属していた17年にも女性への暴力行為で逮捕されている。その際には「二度と同様の過ちを犯さないことをお誓い致します」と声明を出したが、故郷で再び過ちを犯した。週刊誌には画面越しに包丁を持って女性を罵倒し続けた姿や、「筋金入りのDV加害者」という識者のコメントが掲載された。また、暴言や暴力は日常茶飯事で、仙台駅で泣き叫ぶ交際女性を無理やり車に引きずり込む姿も目撃されている。
クラブはこの件をJリーグに報告した上で、道渕を9月8日から練習に復帰させ、試合にも起用していた。19日には、J2新潟が酒気帯び運転により外国人選手2人が書類送検された事案を約1カ月も公表せず問題視されたばかり。新型コロナウイルス禍で懸命に運営するJリーグだが、その努力に水を差すような連日の不祥事となった。
▼新潟青陵大大学院碓井真史教授(社会心理学) 犯罪者には一度きりの過ちの人とそれが日常という人がいて、その中間に「心の問題」を抱える人がいる。一度は深く反省しても、また繰り返してしまう。「罰」だけでは直らないため、出場停止や奉仕活動で終わりではなく、長期的にケアしなければならなかった。再発防止にはカウンセリングを受けることが望ましく、加害者同士で悩みを話し合う当事者団体もある。一人で考えるのは難しい。
▽道渕の17年の逮捕 道渕は甲府に所属していた17年7月23日、東京都江東区で知人女性の顔を殴ったり足を蹴るなどした暴行容疑で警視庁湾岸署に逮捕された。8月3日に処分保留で釈放され同31日に不起訴が決定。クラブは翌9月1日、本人に反省がみられるとして年内の公式戦出場停止と減俸20%(3カ月)の処分、さらに公園清掃や社会福祉施設での社会貢献活動を科すと発表。またクラブ側は社長、GM、強化部長をそれぞれ減俸5%(1カ月)とした。
◆道渕 諒平(みちぶち・りょうへい)1994年(平6)6月16日生まれ、仙台市出身の26歳。仙台中野中時代から仙台の下部組織に所属し、宮城野高から明大に進む。4年時には全日本大学トーナメント優勝に貢献した。卒業後の17年に甲府入り。同年は女性トラブルなどで、出場は4試合のみ。昨季に仙台へ完全移籍。4年間でJ通算69試合出場で8得点。1メートル77、74キロ。利き足は右。
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