森保ジャパン 限界なのか…W杯最終予選3戦で勝ち点わずか3 見えぬ「二の手」12日豪州戦は進退マッチ
2021年10月09日 05:30
サッカー
試合中の「修正力」の欠如が目立つ。先月2日のオマーン戦(0―1)では1トップの大迫が徹底マークに遭った。だが打開する有効な手を打てず、時間ばかりが経過した。この日の柴崎は序盤から低調。後半5分には危険なエリアで奪われ、ファウルをアピールしている間にピンチを迎えた。権田のセーブに救われたが「失点」の前兆はあった。
森保監督は選手の自主性を重んじる。強調するのも「球際」「切り替え」が多く、悪く言えば「選手任せ」。主導権を握れる展開なら良いが、劣勢では流れを変える指針が必要になる。通常、指揮官は試合前にある程度の展開を想定し、相手の出方によってプランB~Cを用意、選手とも共有するが、森保ジャパンには「二の手」が見えてこない。
監督と選手の「乖離(かいり)」は試合後の言葉にも表れた。例えば長友は「奪った後のつなぎ、FWを追い越す動きなど連動性をやっていかないと」と反省していた。一方、森保監督は「チームとして連係連動し、攻守にわたって機能していた」。もちろん、メディア向けコメントの全てが本音ではないだろうが「ズレ」が見て取れる。
森保監督の選手を大事にする人柄、実直さに疑いの余地はない。だが勝ち点3を奪わない限り、もう後はない。長崎日大高時代には腕を骨折しても風呂でギプスの石こうを溶かして試合に出た。19年アジア杯では1次リーグ初戦で警告を受けた酒井に第2戦であえて警告をもらうよう指示。決勝トーナメント前に警告を消化しようとした。いま一度、勝負師の一面が見たい。
次戦はオーストラリアと激突。ほぼ固定された先発、4―2―3―1布陣、引き出しの少ない戦い方は既に対策が練られている。それを上回る指針を示さない限り、同じ結果が繰り返される。3敗目となれば予選敗退は現実味を増し、日本協会も次の手を打つ可能性が高い。オーストラリア戦は、森保監督にとっても「進退」を懸けた大一番となる。
《98年大会以降ワースト》日本はアジア最終予選3試合を終えて勝ち点3止まり。ホーム&アウェー方式となった98年フランス大会の最終予選以降、日本としては勝利→引き分け→敗戦で勝ち点4だった同大会予選を下回るワーストの成績となった。同予選では4戦目も引き分け、加茂周監督が更迭され、岡田武史コーチが昇格した。フランス大会以降で予選を突破した延べ23カ国のうち、3試合終了時で勝ち点3以下だったのは、14年ブラジル大会最終予選で勝ち点2だったオーストラリアだけ。同大会予選は組内5カ国の総当たり8試合制で、2分け1敗から残りを3勝2分けと巻き返して2位に入った。また、3試合で2敗してから突破した国はない。
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