梅山修氏 狙いや戦術正しくてもプレーの精度が…

2021年10月26日 05:30

サッカー

梅山修氏 狙いや戦術正しくてもプレーの精度が…
<新潟・秋田>初先発した新潟のシマブク(右)は積極的に攻め込む(撮影・渡辺直美) Photo By スポニチ
 【明治安田生命J2第35節   新潟1-2秋田 ( 2021年10月23日    デンカS )】 【元アルビ・梅山チェック】「攻める守備」対「守る攻撃」。前者は秋田。後者が新潟。率直にそんな印象を受けた。
 秋田は奪った瞬間の攻撃とセットプレーが武器。4―4―2で強固なブロックをつくりながら、ただ待ち構えるだけでなく、ボールホルダーには強く直線的にアプローチをかける。単純に見れば守備的と見られがちだが、攻撃のための守備をしているチームだ。

 対する新潟はボールを保持しながら攻撃していくチームであり、勝つための手段が真逆。この試合では、来季加入が内定している大学生シマブクを左SH(サイドハーフ)に、三戸を右SHに配置し、サイドから個人の仕掛けを期待した布陣であったのだろう。両者ともその期待に応えるように個人で仕掛ける姿勢を見せた。

 全体的にも相手ゴールに迫るためのボールの動かし方に、その意図は存分に感じることができた。千葉と舞龍行からのショートパスは相手を誘い出して、DFラインの背後をとるためで、特に両SHへの斜めのロングパスは特徴的だった。また一見、相手のブロックの外側をUの字に動いているだけのように見えるパスも、相手を何度も横に走らせて、縦パスを入れるためという狙いは伝わってくるものであった。

 結果的に敗戦となったものの、ゴールに迫るためのボールの動かし方や、後半の4―3―3へのシステム変更など、狙いや戦術は正しく臨むことができている。それでも敗因を挙げるとすれば、パスやポジショニングやタイミングなど、一つ一つのプレーの精度だろう。やり方の問題ではないと思う。

 引いて構える守備に対して、さらに攻撃のアイデアがあるとすれば、サイドに起点をつくった際には内側から外側に向かってスプリントする動きや、それをおとりにして中に入ったり、逆サイドのCB(センターバック)の背後にゴールに向かうカーブのクロスを入れて揺さぶるなどが挙げられる。そんな工夫があれば、今後もなおゴールは奪えるだろう。(元アルビレックス新潟DF)

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