C大阪・大久保 最後まで貫き通したサッカー人生「自分らしいし誇りに思う」天皇杯で有終の美誓う
2021年11月23日 05:30
サッカー
J1歴代最多の通算191得点を記録したストライカー。ピッチで見せた果断な実行力は、引退に際しても発揮された。「自分はこういう性格で決めたことを曲げない」。今月16日に「ふと“ここでやめた方がいいかな”と思い、すぐ妻に伝えました」。クラブをはじめ関係各方面へ連絡し、18日には横浜の自宅で子供にも伝えた。19日に引退公表したおかげで20日に古巣の川崎F戦(ヨドコウ)で元同僚と別れを惜しむ機会ができた。
今季は2度の肉離れ発症もあり5月以降は出場機会が減ったものの、ゴール前の嗅覚は健在で開幕5試合で5得点した。「プロになった時から引退プランがあって。自分が動けるうちに“まだできる”と言われるうちに、やめたい」。美学を貫いた。あと9に迫る通算200得点についても「誰よりも取りたい気持ちは強かった。今は気持ちの整理がついてスッキリしている」と未練を示さない。貪欲に勝利を求め、激しすぎるプレーや言葉が注目されることも。J1通算の警告数104も歴代最多だ。「レフェリーや審判団には迷惑をかけたので、そこは謝りたい。サッカーをやる時は負けず嫌い。そこを貫き通せたのが自分らしいし誇りに思う」と笑わせた。
チームは天皇杯で準決勝進出している。「日本でチームのタイトル獲っていない自分に最後のチャンスがある。優勝して喜び合いたい」。野性味あふれるプレーで最後まで勝負にこだわる。(原口 公博)
◇大久保 嘉人(おおくぼ・よしと)1982年(昭57)6月9日生まれ、福岡県出身の39歳。苅田SSSから国見中、国見高を経てC大阪加入。神戸、川崎F、FC東京、磐田、東京V、マジョルカ、ウォルフスブルクにも在籍。J1通算475試合出場191得点、J2通算48試合出場18得点、国際Aマッチ通算60試合出場6得点。家族は莉瑛夫人と長男・碧人(あいと)さん、次男・緑二(りょくじ)くん、三男・橙利(とうり)くん、四男・紫由(しゆう)くん。1メートル70、73キロ。利き足は右。