小嶺忠敏さん死去 “今、欲しいものは”に「30年若返る薬だな」最後までサッカーのために尽くした生涯
2022年01月07日 12:37
サッカー
「(00、01年と)2連覇する前は8年間勝てなくて批判され、新聞記者が嫌いでした。でも、今は何でも話せますよ」
冒頭はどきっとしたが、にやりと笑った小嶺さんはうまく、新郎を持ち上げてくれた。
単なる報告のつもりだった。「先生、僕今月結婚するんですよ」。選手権の最中にそう、伝えた。ほろ酔いの小嶺さんは愛用の手帳を開き「その日はワシも行けるのに、招待状が来とらんぞ」と言って、ガハハと笑った。選手権が終われば、新学期。新人戦の予選も始まる。誰もが酒の席の冗談だと思っていた。
私の故郷と国見町は有明海をはさみ、フェリーが航行している。披露宴をした福岡市内に出る時にはいつも電車移動だった小嶺さんだが「せっかくだし」とわざわざ、フェリーで渡り、ルートを変えたという。座右の銘は「動」。とことんやり抜く性格はグラウンドを離れても同じだった。
今回の選手権では長崎総合科学大付属高を指揮することは、かなわなかった。ただ、病床でテレビ中継が始まると、意識を取り戻していたという。国見の黄金時代に「今、欲しいものは何ですか?」と聞いたことがある。答えは「30年若返る薬だな」だった。大きな笑い声が思い出される。一分一秒をむだにせず、最後までサッカーのために尽くした生涯だった。本当にお世話になりました。合掌。(99~03年サッカー担当、東京本社スポーツ部デスク・福浦 健太郎)
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