ロシアをW杯予選から排除 FIFAが“弱腰”一転、主催大会の参加を禁止 ウクライナ侵攻の代償

2022年03月02日 05:30

サッカー

ロシアをW杯予選から排除 FIFAが“弱腰”一転、主催大会の参加を禁止 ウクライナ侵攻の代償
FIFA主催大会への出場が禁止されたロシア代表(2018年撮影)(AP) Photo By AP
 国際サッカー連盟(FIFA)と欧州サッカー連盟(UEFA)は28日、ウクライナに侵攻したロシアに対し、同国代表とクラブチームの主催大会への出場を全面的に禁止すると発表した。22年W杯カタール大会の欧州予選プレーオフ開幕を24日に控えていたロシアは、本大会出場の道を断たれることになる。
 FIFAとUEFAが歩調を合わせ、強力な制裁に踏み込んだ。主催大会からのロシア締め出し。代表ではW杯や欧州選手権、クラブでは欧州チャンピオンズリーグ(CL)などが対象で、地元開催だった前回18年W杯で8強に入った代表は、最大の目標である連続出場が絶望となる。スパルタク・モスクワがライプチヒ(ドイツ)と対戦を控えていた欧州リーグ決勝トーナメント1回戦(10、17日)から除外。処分は「追って通知があるまで」とされ、状況の改善がなければ欧州ネーションズリーグ予選(6月2日開幕)や出場予定の女子欧州選手権(7月6日開幕、イングランド)も対象となる。

 事態は1日で動いた。前日にFIFAは、ロシアでの国際試合禁止やホーム戦の中立地開催などの処分を発表したが、その弱腰な姿勢に、W杯予選からの除外やロシアとの対戦拒否を表明していた各協会から激しい批判を受けた。国際オリンピック委員会(IOC)が国際大会からのロシア除外を勧告してから数時間後、UEFAと共同で除外を発表。UEFAは年間4000万ユーロ(約51億6000万円)とされるロシアの政府系企業ガスプロムとのスポンサー契約も解消し、ロシアマネーとの決別を決めた。

 決定を受け、24日のW杯予選欧州プレーオフ準決勝でロシアとの対戦を拒否していたポーランド協会のクレシャ会長は「正義の戦いは効力を発揮する。我々は連帯してその強さを示した」と歓迎。ジョンソン英首相も「自由に対するプーチンの忌まわしい攻撃を許さないという、国際スポーツ社会からの強力なメッセージ」と称えた。

 一方でロシア・サッカー連合は「明白な差別で大量のアスリートや指導者らにも有害」と裁定への怒りをにじませる声明を発表。徹底抗戦を訴えたが、逆風は強くなるばかりだ。ロシア代表のカルピン監督は「選手が気の毒。W杯でプレーを夢見ていたが、希望は失われた」と落胆。侵攻とは無縁のアスリートが大きな代償を支払うことになる。

 【ロシアを巡るサッカー界の動き】
 ▼2・24 W杯欧州予選プレーオフでロシアと同組のポーランドとスウェーデン、チェコの3協会が連名でFIFAに開催地変更を要求。対戦時の会場はいずれも敵地で行われる組み合わせだった。

 ▼2・25 UEFAが臨時理事会を開き、ロシアのサンクトペテルブルクで5月28日開催予定だった今季欧州CL決勝会場をパリ郊外のサンドニに変更。

 ▼2・26 ポーランドとスウェーデン両協会がW杯プレーオフでロシアとの対戦拒否を表明。ポーランドのレバンドフスキ主将も「正しい決断」と支持。

 ▼2・27 チェコに加え、イングランド協会なども対戦拒否。FIFAはロシアに国内での国際試合開催や国名、国旗などの使用を禁じたが、各国協会などが弱腰を批判。

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