森保ジャパン 国際親善試合のテーマは「最後の選手選考」と「戦術の落とし込み」
2022年09月23日 04:00
サッカー
今季ベルギーに移籍した上田は、プレー強度やスタイルの違いに苦労したが「チーム戦術に合わせるために、もがけているのは凄くプラス」と短期間ながら成長を実感しているという。相手DFラインの裏に抜けるという最大の武器のみならず、ポストプレーや前線のプレスなど、ベルギーでプレーの幅が広がった印象を受ける。代表ではまだ無得点だが、殻を一気に破る可能性は十分にある。
E―1選手権で3得点を挙げたFW町野は「頭も右も左も決められるのが武器」と本人も公言する万能型ストライカー。ただし、アジア以外のチームとの対戦は未知数な部分が多い。練習ではクロスからのシュートを何本も決めるなど調子の良さをうかがわせているだけに、W杯出場国レベルの相手から得点を挙げることで価値が一気に高まるはずだ。
FW大迫は復調の兆しを見せているものの、浅野は故障中と1トップはまだ波乱含みで固定できる状況にはないだけに、今回のアピール次第では東京五輪世代の2人が割って入る隙は十分にある。
≪サイドアタッカーの“孤立回避”≫戦術面ではサイドアタッカーの“孤立回避”が注目ポイントの一つとなる。6月のブラジル戦では右の伊東、途中出場した左の三笘の個の力頼みに終始した。守備網の突破を試みては手詰まりになるシーンが繰り返され、ため息を誘った。
両翼を意図的に孤立させ、相手サポートが届かない位置で1対1を生み出すのは有効だ。ただ、それ一辺倒では強豪国に対処される。重要なのは素早い寄りと適切な距離感。鍵は中盤に並ぶ3選手、つまり鎌田、遠藤、守田のサポートになる。
ドイツ合宿で試した4―2―3―1では、中盤の底に2人がいる安定した守備から速い攻撃につなげるだけでなく、前線で両サイドとトップ下、さらに1トップが三角形をつくり、パス回しをスムーズに行える利点がある。
センターバックや中盤の底からサイドにボールを散らした際、同じサイドのボランチやトップ下がどこに位置取るか注目したい。数的優位をつくれるシンプルなワンツーパスや、3人目の飛び出しでもいい。連係での崩しによる選択肢の増加こそが相手守備陣を惑わせ、結果的に単独突破も威力が増す。
守田は「以前よりも人との距離感のレンジが広くなった気がしている。多少遠くても、連動して人と関われるポジションがつかめてきている」と話している。強みのサイド攻撃をどう生かすか。進化した姿を見せるべき時だ。
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