岡山学芸館 空き地からつかんだ悲願の県勢初V 高原監督号泣…21世紀版スクール☆ウォーズ大団円
2023年01月10日 04:30
サッカー
決して楽な道のりではなかった。サッカーの名門・東海大五(現東海大福岡)でプレーした高原監督は、03年から岡山学芸館で教員としてコーチを務めた。08年に監督に就任したが、当初は部室もグラウンドもなく、空き地で練習をしていた。照明もなく、冬場は車のライトを頼りにした。強豪校と練習試合をしたら2桁近い失点も喫した。遠征先の宿舎でタバコの臭いが漂っていたことも。「少しやんちゃな子が多かったですね。まだこんなチームがあるんだと衝撃的だった」と指揮官は振り返る。
まさに舞台は21世紀の「スクール☆ウォーズ」。だが練習でともに汗を流し、マイクロバスの免許も取得して遠征先までハンドルを握った。体当たり指導も辞さなかった。「その子たちといかに本気で向き合えるか」。20人にも満たなかった部員は徐々に増え始め、現在は135人の大所帯になった。
「今日、サッカーを見ている人に何か感動を与えることができれば。サッカー少年には岡山でも日本一を獲れるんだと夢を持ってもらえれば。まとまれば強豪を倒せる証明ができた」
今大会は6試合で8人が得点し、計14ゴールした。Jリーグ加盟前のファジアーノ岡山でプレーして縁ができた岡山で歩んできた指導者人生。43歳の青年監督は、さらなる岡山県のレベル向上を見据えた。(飯間 健)
《今井ら最少タイ3点で得点王》○…今大会の得点王は3得点で5人が並んだ。3ゴールでの得点王は93回大会に並ぶ最少記録。岡山学芸館のFW今井は決勝戦の前半25分にゴールネットを揺らしたが、判定は相手のオウンゴール。単独での受賞とはならず、「決勝でもゴールを奪いたいと昨晩から思っていた。決め切れるシーンもあったので、(得点王は)うれしいけど悔しい」と振り返った。
▽岡山学芸館 1960年創立の私立校。主な卒業生に、フィギュアスケートで北京冬季五輪団体銅メダルを獲得した小松原美里(倉敷FSC)、女子テニスの日比野菜緒(ブラス)、プロ野球日本ハムの金村尚真、お笑いコンビ「次長課長」の井上聡ら。野球部は春夏の甲子園に出場経験がある。
おすすめテーマ
2023年01月10日のニュース
特集
サッカーのランキング
-
G大阪・宇佐美 遠藤の“代名詞”背番号7に 「より大きくするために自分がつけないといけない」
-
【槙野智章氏 観戦記】森保ジャパンと重なった岡山学芸館の後半の動き 課題はまだ足りない“ずる賢さ”
-
岡山学芸館 空き地からつかんだ悲願の県勢初V 高原監督号泣…21世紀版スクール☆ウォーズ大団円
-
岡山学芸館 町クラブ出身・MF木村匡が2得点 Jアカデミー出身者わずか2人の雑草集団が意地見せた
-
東山 MF真田が芸術的ボレーも…無念準V 福重監督「選手は日本一を目指して一試合ずつ必死で戦った」
-
渋野日向子 地元・岡山学芸館Vに「岡山のスポーツがあつすぎる!スポーツって最高!」
-
J2大宮 相馬監督が気合「挑戦者として失敗しながら成長を」
-
ジダン氏 ブラジル監督打診を断る ポルトガル、米国も
-
Rソシエダード・久保 先発で全得点に絡む 地元メディアも高評価