森保ジャパン「三笘システム」構築へ“世代交代” 麻也、長友ら選外でDFライン再編成
2023年03月16日 04:45
サッカー
指揮官が語ったのはビルドアップの重要性だった。「カタールでは相手の嫌がるカウンターはできたと思うが、ボールを握ったときに相手が嫌がる攻撃のクオリティーを上げないといけないと思っている」とコンセプトを説明した。
W杯ではドイツ、スペインに対抗するために用いた3バックからのカウンターが奏功した。ただ、守備では5バック気味となるため、三笘ら2列目の選手の重心も下がりがちとなった。そのため、DFラインから組み立てて前進していくという目指すサッカーに到達できず、決勝トーナメントではクロアチアのプレスに四苦八苦。守備でもDFラインの裏への対応やハイボールに苦戦し、結果的に史上初のベスト8という「新しい景色」は見られなかった。
殻を破るために着手したのがDFの新陳代謝だ。冨安と板倉のセンターバック(CB)コンビは計算できるため、特に人材を集めたのがサイドバック(SB)。4バックを想定していると思われ、「3―4―2―1」の左ウイングバックを務めていた三笘のポジションを1列前に置き、攻撃機会を増やす「三笘システム」に特化するのが狙いだろう。
森保監督がCBと左SBでの起用を示唆した左利きのDF角田は1メートル85とサイズもある上に、ビルドアップの能力が高い。筑波大の先輩にあたる三笘とのコンビネーションにも注目が集まる。
今回招集を見送られたベテラン勢も今後の26年W杯アジア2次予選(11月)や来年1月開幕のアジア杯(カタール)での招集は十分に考えられる。ただ、タイトルの懸かった試合の直前でテストするのはリスクが高く、今回が新たな挑戦をする絶好の機会と捉えれば「計算できる」(森保監督)ベテランを見送ったのも理にかなっている。