梅山修氏 J1新潟、多彩な攻撃完結させた高木復活で上昇の予感

2023年08月15日 12:41

サッカー

 【元アルビ・梅山チェック】ボールを保持しながらゴールを目指す新潟と、5―3―2の組織的な守備から速攻を狙う湘南という対照的なチーム同士の対戦となった。
 少し前まではボール支配率の高さが勝率や、いわゆるいいサッカーの指標のように捉えられていた印象があるが、最近のサッカーではボール支配率やパス数が少ないチームの勝率が高い傾向があるだけに、新潟にとっては最も気をつけるべき相手だった。
 特に前半は湘南の2人のFWと3人のMFによるボールを奪う網は堅く強かった。最初の失点もその網を飛ばしてDFからFWへ送った長い縦パスを奪われて速攻を受けたもので、湘南としてはまさに狙い通り、新潟にとっては想定されたリスクそのものの形となってしまった。

 それでも前半だけで10本(枠内9本)ものシュートを放っていた新潟の攻撃は、ミドルシュートや中央でのコンビネーション、サイドからのクロスなど、選手が相手の状況を見て、多彩な手段でゴールに迫ろうとした意欲はポジティブな要素だ。

 もうひと工夫するとすれば、自陣でも相手陣内でも湘南の3MFと3DFの間のスペースで一度ボールを引き出せば、さらにサイドや背後のスペースは空いてくるだろう。と思っていたが、後半開始と同時に、そのエリアで最も輝く高木を投入したのは采配の妙だ。

 中盤で一度ボールを引き出し、相手を集結させてサイドに展開し、再びフリーになってゴール前に現れる高木がその真骨頂を発揮した。特に1点目の正確にボールをゴールに届けるパスのようなシュート、2点目の気持ちと力を込めた豪快なシュートは彼の復活とチーム上昇ののろしが上がったような印象を受けた。

 また、1点目に中央で起点になったこの夏新加入の長倉も、そのポテンシャルを十分に感じさせた。この日は左MFでの出場だったが必要に応じて中央に入ったり、縦に仕掛けたり、状況を見て主体的に判断できる選手で、ボールを持った時に何かしてくれるのではないかという期待感をまとった選手で今後に注目したい1人だ。
 次節、福岡も強度の高い守備を誇るチームだが、失点の仕方や時間、また攻撃の狙いといった湘南戦の攻守両面での経験が生きるだろう。(アルティスタ浅間監督)

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