中村俊輔氏 連勝スポルティングに「完全にフィット」守田はビッグクラブに行ける

2023年08月24日 04:36

サッカー

中村俊輔氏 連勝スポルティングに「完全にフィット」守田はビッグクラブに行ける
スポルティングのMF守田(ロイター)
 【月刊中村俊輔 8月号】昨季限りで現役を引退し、今季から横浜FCのコーチに就任した元日本代表MFの中村俊輔氏(45)が、サッカーの魅力を語り尽くす「月刊中村俊輔」。8月号は、欧州で続々と開幕した23~24年シーズンのチェックポイントを解説。多くの日本人選手がゴールを決めるなど上々のスタートを切った中、注目する選手やクラブなど独自目線で語った。
 いよいよ開幕した欧州の新シーズン。メッシが加入した米MLSも含め「どこでどんなサッカーをし始めているのかな?」と常にアンテナを張っている俊輔氏にとっても、待ち望んでいた瞬間だ。コーチに就任した現在は「フォーメーションや監督の考え、相手として戦った時にどうかとか、分析するように見ている」と、指導者目線で見る傾向がより強くなったという。

 その中で、「どうしても見ちゃうよね」と挙げるチームが、昨季悲願の欧州CL制覇を飾ったマンチェスターCだ。名将グアルディオラ監督が率いるチームは、多くの指導者にとって教材となっており、俊輔氏にとっても例外ではない。

 「ビッグクラブには、走れて、戦術理解があって、プラス技術がある選手が多い。オシムさんが言っていた、ポリバレント(複数ポジションをこなせる)な選手。しかもチームで連動していて、意思統一もしっかりしている。さらにシステムが可変でできている感じは、やっぱり(参考になるのは)マンCなのかな、という感じがする」

 もちろん、他リーグのチェックも欠かさない。独特なポゼッションサッカーを展開する三笘のブライトンをはじめ、最近では「ブラジルと欧州の中間みたいなところもあるし、南米の選手が良い気がする」という、ポルトガルリーグもお気に入りだ。

 今季は既に守田が所属する名門スポルティングの開幕2試合をチェック。2試合とも勝利したが、試合後の守田の納得していない表情を見て「もっとこうやるべきだっていうのが頭の中にあって、それをチームに対してもしっかり働きかけていると思う。チームに完全にフィットしている」と感心し、「この1年、自身とチームの成績が一致すれば、ビッグクラブに行ける可能性が出てくると思う」とさらなる飛躍を期待した。

 そのほか、今季も多くの日本人選手が所属するベルギー1部シントトロイデンにも関心を寄せている。自身はイタリア、スコットランドなど全て単独で道を切り開いていったが、それとはまさに真逆のスタイル。「日本人が多いと、ライバルだし逆にやりづらいこともあるけど、最初の海外移籍で、日本人に囲まれながら、欧州に徐々になじんでいく。そこからステップアップできる選択枠のあるチームが存在するのは面白い」

 今季もMF伊藤涼をはじめ、パリ五輪世代のGK鈴木、MF藤田、山本ら若手有望株が続々と入団した。活躍次第ではかつて冨安(アーセナル)、鎌田(ラツィオ)、遠藤(リバプール)がたどったビッグクラブへの道が開けてくる。それだけに、同じく日本人選手が多く所属する古巣のセルティックを含め、今後も注目して追っていくという。

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