梅山修氏 J1新潟、縦横無尽の攻撃から待望の先制点

2023年09月26日 04:40

サッカー

梅山修氏 J1新潟、縦横無尽の攻撃から待望の先制点
MF高のJ1初ゴールを喜ぶ松橋監督 Photo By スポニチ
 【元アルビ・梅山チェック】ボールを保持する新潟と、引き込んでカウンターとセットプレーを武器とする横浜FCの対戦。その構図では特に先制点をどちらが取るのかが、より重要なポイントになる。試合のシナリオ的に考慮すべき点は「リードしている時」「リードされている時」「同点の時」、さらにそれぞれのケースでの「残り時間」で、引き込んでカウンターを狙うチームに先制点を与えることは避けたい。ここ3試合先制点を与えている新潟であれば、なおさら重要だった。
 序盤、新潟のビルドップに対して横浜FCは中盤で構えて守備の規制をかけ始めていた。対する新潟はボランチの1人がCBの間に降りて最終ラインを3人にし、両SBに高い位置をとらせる。すると相手のワイドの選手が前に出て来られない。そして両SHは内側に入り、フリーになるという仕掛けが見られた。前半6分の先制点はまさにこれが効いた格好だ。

 GK小島から始まった攻撃は降りたMF秋山、横のCB舞行龍、中央に入った左SH三戸、高い位置をとっていた左SB堀米といった具合に、人が縦横にローテーションすると同じく、ボールも縦横と交互に前進させていた。最後は三戸の高い個人技によるターンから体幹のひねりを利用した強いシュートを蹴り込んだもの。そのスペースを作るために中央からサイドに流れたMF高木の献身性、動きすぎず、そこに止まって受ける判断をした三戸のボールがない時の動きも素晴らしかった。

 1―1で迎えた後半は自陣に押し込まれ停滞する時間が長く感じたが、これを変えたのは交代策、とりわけ“ボランチ”新井の投入だった。おそらく準備していた交代ではなく、即興性の高いものだと思うが、対人に強く両足を正確に使える彼がCBの前に入ったことで守備ラインを高くし、長短のパスでチームにリズムと展開力を与えた。試合終盤のチームを安定させ、最後まで多くのチャンスを作った立て役者であったことは間違いない。

 J1リーグは残り6試合。18位のみが降格する今季のレギュレーションにおいて、この時点で最下位の湘南との勝ち点差は12に開いた。次節はアウェイ川崎F戦。順位争いよりも、ボールゲームを追求する両者の試合内容に注目したい。
(アルティスタ浅間監督)

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