中村俊輔氏 代表戦は「1+2+2」で考える W杯アジア2次予選スタート、時差や過密日程どう乗り切る?

2023年11月28日 05:00

サッカー

中村俊輔氏 代表戦は「1+2+2」で考える W杯アジア2次予選スタート、時差や過密日程どう乗り切る?
W杯予選のシリア戦で、伊東のクロスから上田がゴールを決める Photo By スポニチ
 【月刊中村俊輔 11月号】昨季限りで現役を引退し、今季から横浜FCのコーチに就任した元日本代表MFの中村俊輔氏(45)がサッカーの魅力を語り尽くす「月刊中村俊輔」。26年W杯アジア2次予選がスタートした11月号は、そのW杯アジア予選の難しさについて解説。時差や過密日程の調整など自身の経験を振り返り、連勝スタートを切った森保ジャパンにエールも送った。 (取材・構成 垣内 一之)
 「スコールでピッチがぐちゃぐちゃになったり、練習場が急に変更されたり、いろいろと難しいことはある」。計19試合に出場し、06、10年と2度の予選突破に大きく貢献した俊輔氏にとっても、見えない敵が潜むアジアでの戦いの難しさは身に染みている。

 セルティックに所属した08~09年の10年W杯アジア予選では、久保や三笘ら現代表も苦しむ欧州カップ戦出場による疲労蓄積など過密日程との戦いも経験した。

 「自分は飛行機に乗ってからいろいろとセッティングするようにしていた。睡眠は現地時間に合わせて寝て、食事は体が重くならないように、おなかが減っても少なめにして、少なめを細かく取るように心がけていた」

 当然、クラブに戻ってポジションを奪われないような気持ちの準備も怠らなかった。「自チームで調子を落とすと、“やっぱりアジアまで行くとさすがに厳しい”といったマイナスな意見が出てくる。だから代表合流直前の試合、代表戦2試合、戻ってからの2試合を1セットに考えて、気持ちは切らさないようにしていた」

 海外組の先駆けとなった俊輔氏たちのこういった経験の積み重ねが有形無形に還元され、日本代表も徐々にレベルアップした。今や海外遠征にはシェフを帯同し、相手国の情報も各選手の携帯電話に共有される時代。俊輔氏も「コンディション調整に関しては個人でいろんなことをトライしているはず。今は海外組の選手が多いから、雰囲気づくりとか、何が良いとかも分かっていると思う」と全く心配はしていない。

 とはいえ、まだW杯予選は始まったばかり。最終予選ともなれば、かつてのJリーグのように多くのスター選手をリーグに招き入れているサウジアラビアなど、強敵との対戦が待ち受ける。

 俊輔氏も森保ジャパンの2連勝スタートを喜びつつ「単純に今は個で崩せている。でもそうじゃなくなった時とかに、いかに引き分けでもいいから勝ち点をもぎ取れるか」と強調。そして最後に「“力の差を見せつけて勝ちたい!”みたいなプライドはあると思うけど、難しい状況になった時に、足をすくわれないように、正しい方向に引っ張ってくれるリーダー、そのリーダーを支えるフォロワーも必要だと思う」と、チーム一丸での予選突破へエールを送った。

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