入江 五輪前哨戦でV!昨年世界王者に逆転勝ち
2012年06月17日 06:00
競泳
男子100メートル背泳ぎは、ロンドン五輪日本代表の入江陵介(22=イトマン東進)が53秒71で制した。昨年の世界選手権覇者、カミーユ・ラクール(フランス)に100分の6秒差で競り勝ち、ロンドン五輪での金メダル獲得へ弾みをつけた。女子100メートル背泳ぎは、寺川綾(27=ミズノ)が59秒42で優勝。400メートル個人メドレーは、女子の大塚美優(17=スウィン大宮)が4分38秒73で勝ち、男子の萩野公介(17=御幸ケ原SS)は4分12秒46で2位だった。
若き日本のエースが五輪前哨戦で最大のライバルに勝った。入江は今季世界ランキング1位の王者ラクールに折り返しで0秒28遅れたが、終盤に猛然と追い上げ0秒06差で逆転。「一騎打ちになることは分かっていた。競り合いの中でタッチの差で勝てたことは良かった」と冷静に振り返った。
昨年の世界選手権では0秒22遅れて銅メダル。今季のベストタイムも0秒16遅れている。これ以上“負け癖”をつけるわけにはいかず、日本を出発する前には「(ラクールに)プレッシャーをかけられたらいい」と話していた。
泳ぎ込みの最中のレースのため、タイムは4月の日本選手権より0秒80遅い53秒71と平凡だったが「五輪を見据えたレースだった。記録は遅いけど(勝てて)良かった」と勝負の結果には満足の様子。道浦健寿コーチも「今大会は勝負勘が重要。勝ちはうれしい」と喜んだ。今大会の会場は3年前の世界選手権の200メートルで世界大会自身初の表彰台となる銀メダルを獲得した思い出の地。相性のいいプールで、狙い通りライバルに存在感をアピールできた。
16日には得意とする200メートルに出場する。昨年の世界選手権では宿敵ライアン・ロクテ(米国)に完敗した種目だ。関係者の間では100メートルの方が頂点に近いという評価だが、入江は両種目で金メダルを狙っている。今月末に米国代表選考会を控えるロクテにも、記録でプレッシャーをかけておきたいところだ。
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