内村、2冠惜しい!でも「やっと満足」の“銀締め”
2012年08月06日 06:00
体操
ベストは尽くした。それでも頂点には届かなかった。個人総合との2冠を目指した内村は床運動の1番手で登場。ノーミスで演技を終えると、両拳を何度も突き上げて“どや顔”だ。2番手で演技した鄒凱が15・933点をマークして逆転されたが、満足感が体を突き抜けた。「目指してた色とは違うけど、悔いはない。やっと満足のいく演技が最後の最後に出た」。今大会、どの選手よりも多い19種目を完遂。納得の演技で、2度目の五輪を締めくくった。
昨年の世界選手権で決めたG難度のリ・ジョンソン(後方抱え込み2回宙返り3回ひねり)に挑まなかったが、難度を示す演技価値点は6・7点のまま。安定感でジャッジのハートをつかんだ。10点満点の実施点は8人中最高の9・100点。「そういう評価をもらえたのは、銀メダル以上の価値がある」。3位のロシア選手と15・800点で同点だったが、順位を分けたのは実施点の差。自慢の美しさで、メダルの輝きも1つ増した。
床運動は、夢舞台を目指す原点だ。父・和久さん(51)は柳川商(現柳川高)時代に高校総体の床運動で優勝。内村が小学5年の時、父の実家を訪れるとメダルが目に入った。「あれは何?」と息子に聞かれた母・周子さんは「パパが高校総体で獲った金メダルだよ」と答えた。父への憧れと同時に、父を超えたい欲求がわき上がった。「ボクはパパを超えて、五輪に行く」。その後、「五輪に行く」と熱い決意を文集に書いていた。
団体予選では鉄棒とあん馬で落下、決勝でも本来の出来から程遠く、目標の団体金には届かなかった。「今回は神様がボクに試練を与えてくれたのかな」。個人総合で日本人28年ぶりに金メダルを獲得し、床運動でも全力を尽くした。悔しさと満足感が交錯する舞台から下りた23歳は、16年リオデジャネイロ五輪に向けてさらなる高みを目指している。
内村には跳馬と床運動で新技の構想がある。跳馬では10年全日本団体・種目別選手権で世界初の「伸身ユルチェンコ3回ひねり」に成功。床運動では「後方抱え込み2回宙返り4回ひねり」という大技を、トランポリンの上で成功させている。「技で名を残したいってのはみんな思っている」と新技へ意欲十分だ。
来年のアントワープ世界選手権など、国際連盟の認定する大会で成功させれば、ともに「ウチムラ」という名が付く可能性が高い。「五輪で金メダルを獲ることの難しさを痛感した」と言う内村は、誰もまねできない“U難度”の大技を身につけて4年後の夢舞台へ。理想を追求する万能キングの旅は、まだまだ終わらない。
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