新国立、与野党が批判 総工費「高過ぎる」五輪相、計画維持強調

2015年07月14日 18:07

五輪

 2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の総工費が2520億円に膨らんだことについて14日、与野党から批判が相次いだ。自民党総務会では「高過ぎる」「(政府は)財政再建を唱える一方で、いかがなものか」などの声が続出。参院の委員会審議で、遠藤利明五輪相らは釈明に追われたが、建設は計画通りに進めると強調した。
 二階俊博総務会長は総務会後の記者会見で「(報道各社の)世論調査を見ても国民の大半が疑問を持っており、重大な関心を示さざるを得ない」と指摘。公明党の山口那津男代表も会見で、政府に「説明責任を尽くしてほしい」と求めた。

 菅義偉官房長官は「国民への説明が十分でなかった部分がある。できるだけ負担が生じないよう、運営の民間委託など工夫をする」と語った。

 参院内閣、文教科学両委員会の連合審査会で、遠藤五輪相は、総工費が基本設計段階の1625億円から大幅に増えたことについて「費用は相当かさんでいる。経緯を国民に丁寧に説明することが不可欠だ」と述べたが、計画見直しには否定的な姿勢を崩さなかった。

 下村博文文部科学相は「選手にも心配を掛け、心を痛めている」と答弁。19年のラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会で使う計画を見直し、設計変更の時間を稼ぐべきだとの指摘に対しては「W杯主会場の変更は国際スポーツ界の信頼を損なう」と述べた。

 参考人として出席した日本スポーツ振興センター(JSC)の河野一郎理事長は、開会式に備え競技場の2本の巨大なアーチ構造に機材をつり下げるための増強工事に約3億円が必要と説明。質問に立った民主党の蓮舫代表代行は「開会式の演出も決まっていないのに、予算が水ぶくれしている」と批判した。

 新国立競技場のデザインの採用を決めた審査委員会で委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏は、16日にも東京都内で記者会見する方向で調整している。関係者によると、安藤氏が会見を希望しているという。

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