青学大まず1冠!神野欠場も大会記録更新 原監督「普通にやれば3冠」
2015年10月13日 05:30
駅伝
青学大が2時間9分5秒で12年以来3年ぶり2度目の優勝を飾った。3区の久保田和真(4年)が区間賞の走りで先頭の駒大を捉えると、最終6区まで2校が並走。アンカーの3年生エース一色恭志(ただし)が4キロ付近で仕掛け、逃げ切った。今年の箱根駅伝5区で活躍した“3代目・山の神”神野大地(4年)は右足故障で調整が遅れたため欠場したが、選手層の厚さを見せつけ、学生駅伝3冠へ向け、まずは1冠を制した。山梨学院大が38秒差の2位、45秒差の3位に駒大が入った。
一色が右手人さし指を立てて、ゴールテープに飛び込んだ。「ゴールテープは気持ち良く笑いながら行けた。いい位置でつないでくれたので、役割は自分の力を出し切ることだった」。駒大と1秒差の2位でたすきを受けた一色は向かい風の前半は無理をせず、風向きが変わる出雲大社前の下り坂を利用しスパート。「ダッシュしすぎた」と苦笑いを浮かべたが「プラン通りに運べて良かった」と胸を張った。
神野不在の中、エースの役割を果たした。一色は今夏ユニバーシアードのハーフマラソン2位の実力者。来年2月の東京マラソン出場を予定しており今年2月には同大OBの出岐雄大(中国電力)の合宿に参加。より楽に走れるようにフォームも改良。肩甲骨をうまく使って腕振りにひねりを加え「推進力がついた。楽に前に進める」と好感触を得ており、この日も区間2位の堅実な走りで勝負を決めた。
ライバル心も力に変えた。選手らは欠場した神野から大会前に激励の手紙を受け取った。しかし報道陣にその話を聞かれると「誰に聞いたんですか?」と切り返した。そして「手紙に(話題を)持って行かれる」と対抗心を吐露。それでも史上4校目の学生駅伝3冠へ「思いを受け取ったのでやるしかない」と神野の気持ちも背負いたすきをつないだ。
青学大は選手層の厚さも光った。1区小椋、3区久保田は実力通りの走りで主要区間をまとめた。今大会から3区が600メートル延びたが、これまでの大会記録2時間9分11秒を上回る好記録をマーク。原監督は「普通にやれば(3冠を)獲ると思う。うちの戦力で勝てなければ監督の責任」と手応えを口にする。一色は「あと2勝できるようにエースの役割を果たしたい」と自覚十分。3冠へ向け、青学大が最高のスタートを切った。
▽学生駅伝3冠 10月の出雲、11月の全日本、正月の箱根を指し、全大会を制したのは90年の大東大、00年の順大、10年の早大の3校のみ。3校は箱根の往路か復路で優勝を逃しており箱根完全制覇を含めた3冠はまだない。
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