錦織、ウイルソンと“生涯契約” 現役ではフェデラーに続き2人目
2015年12月01日 05:30
テニス
「テニスをしていく上で一番大切」と言い切るラケット。小学5年生から道場さんのサポートを受け、グリップの長さを約1・5センチ長くするなど特別な要望にも応えてもらってきた。「テニス人生でずっとウイルソン。それ以外はあり得ない」と完全にぞっこんだ。
ナダル(スペイン)やA・マリー(英国)はそれぞれ同じメーカーのラケットを使い続けているが、ジョコビッチ(セルビア)は09年にウイルソンから他メーカーに変更した。シャラポワ(ロシア)も11年に10年間使い続けたメーカーから切り替えるなど移籍劇は時折起こる。生涯契約ならそうした心配はなく、メーカーは契約選手の要望に応じたラケット開発や販促に力を入れられるなど双方にメリットがある。
06年にウイルソンと生涯契約を結んだフェデラー(スイス)の契約金は年200万ドル(約2億4600万円)とされている。100年を超えるウイルソンの歴史の中で、この契約を結んだ選手はいずれもテニス史を彩るレジェンドのみ。アジア男子テニスの歴史を塗り替える日本のスターには金額以上の名誉でもある。
「ラケットに一番求めているのはパワーとスイングスピード。毎年、体が変わるにつれてラケットも替わる」と錦織は意思が通じ合う大切さを強調した。来季の目標は4大大会とリオデジャネイロ五輪での好成績。「これからもウイルソンと一緒にトップを狙っていきたい」と相思相愛のラケットと歩み続ける覚悟を語った。
▽ウイルソン 1914年に創業されたスポーツ用品メーカー。本社は米シカゴ。テニスのストリングや楽器の弦の製造に始まり、徐々にラケットや野球、ゴルフ用品などにも拡大。73年には日本に販売支社が設立され、80年代には阪神の掛布雅之らとアドバイザリースタッフ契約を結ぶ。89年にはフィンランド企業のアメアスポーツの傘下に入った。テニスラケットの国内シェアでは、約4分の1を占めて「バボラ」とトップの座を争っている。
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