羽生世界最高また更新「凄い点」演技点で10点満点も
2015年12月12日 05:30
フィギュアスケート
プリンスがまた異次元スコアを叩き出した。男子ショートプログラム(SP)で、14年ソチ五輪金メダリストの羽生結弦(ゆづる、21=ANA)が110・95点の世界歴代最高得点をマーク。11月のNHK杯で自身が出した106・33点を4・62点更新し、圧巻の首位発進を決めた。男子初の3連覇だけでなく、合計322・40点の世界記録更新も視界に捉え、12日のフリーに臨む。
「羽生結弦」というライバルを、羽生結弦があっさり超えた。鬼気迫る“どや顔”でフィニッシュしたNHK杯とは違う。ピアノの旋律が終わると、プリンスは澄んだ笑みを浮かべていた。「プログラムには満足している。得点は気にしていなかったけど、凄い点で幸せ」。11月27日のNHK杯SPから、わずか13日。バルセロナで待っていたのは、110・95点というスーパースコアだ。それでも、沸き上がる観客には次の滑走者フェルナンデス(スペイン)のため人さし指を口にあて静かにするようお願い。結果を冷静に受け止め、周囲を気遣う余裕すらあった。
完璧に決めた4回転サルコー、トーループの4―3回転は、ともに出来栄え評価(GOE)での加点がMAXの3点。3度のジャンプのGOEで、トリプルアクセルの基礎点(8・5点)を上回る8・71点を稼いだ。羽生だけが、もう1本高難度のジャンプを跳んでいるに等しい。演技点では10点満点の項目もあった。「ジャンプがしっかり決まっているから、より自分がピアノの曲に乗っていける」と分析した。
羽生は考える。演技とは一期一会である、と。「同じ演技って一つとしてない。その時、その会場、その日でしか生まれないもの」。いつもは好演技の再現を求めない21歳だが、この日は禁を破りかけた。「NHK杯を超えるような演技をしないといけないプレッシャーはあった」。重圧を受け止め、自分をコントロールした2分50秒。「きょうのSPもNHK杯とは全く違ったものになった」。15年のバルセロナでしかできない、ショパンの「バラード第1番」を演じきった。
ジュニア時代は紙に目標の点数を書き込んで意識していたが、今はスコアへのこだわりはない。ステップでは最高難度のレベル4を取れず、レベル3にとどまった。「さらに点数を伸ばしたい、ではなく」と前置きした上で、「一つ一つのエレメンツを“完璧だったね”と言ってもらえるように自分を磨いていきたい」と話した。パーフェクトな演技だけを追いかけ、レベルアップを図る。
2位のフェルナンデスに19・43点差をつけた。男子初の3連覇はもはや決定的で、12日のフリー「陰陽師(おんみょうじ)」では自らの世界記録、合計322・40点との勝負になる。「一つ一つの要素に集中しないといけない。SPはSPだし、フリーはフリー。フリーも自分の中で(NHK杯とは違う)インスピレーションを持ちながらやっていきたい」。バルセロナに舞い降りる安倍晴明が、さらなる衝撃を演出する。
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