真央、来年につながる3位 苦手3回転ルッツ7年ぶり成功
2015年12月28日 05:30
フィギュアスケート
浅田真央(25=中京大)が表彰台を死守した。女子フリーで2位の131・72点をマークし、合計193・75点。ショートプログラム(SP)5位から逆襲して3位に入り、世界選手権(16年3月30日~4月3日、米マサチューセッツ州ボストン)の代表に決まった。SP首位の宮原知子(17=関大高)が合計212・83点で連覇し、世界切符を獲得。樋口新葉(わかば、14=開智日本橋学園中)が195・35点で2位だった。
今のベストを、浅田が「蝶々夫人」の4分間で表現した。冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒し、3―3回転は単発の3回転に。序盤で大きなミスを連発したが、ここから立て直した。苦手だった3回転ルッツは、08年12月の全日本SP以来、7年ぶりに踏み切り違反も減点もなく成功。フィニッシュすると、目を閉じ静かにうなずいた。ゆっくりと立ち上がり、潤んだ瞳で歓声に応えた。
「今季の中では、いい演技ができた。今できることはできたかなと思う」
11月の中国杯で優勝しながら、NHK杯3位、GPファイナル6位と急降下。「気持ちが引いたり、マイナスのことを考えることもある」。浅田を救ったのは、佐藤信夫コーチだった。復帰してからずっと「やればできる」と言い聞かせ、5位だった26日のSP後も話し合った。この日昼の公式練習。浅田は気づいた。「こういうふうにやれば体がスムーズに動く。少し手応えがあった」。攻める姿勢を取り戻した。
1年の休養を経て復帰した。今大会最年長の25歳。「練習でも日によって波がある」。山があり、谷があることは自覚していたが、2週前のファイナルで最下位など自身の想定よりも深い谷に迷い込んだ。何も考えずに跳べた少女の頃とは違う。結果が伴わなければ考え、悩み、落ち込む。自分と向き合い。たどり着く答えはいつも同じだ。「心から戻りたいと思って戻ってきた」。序盤でミスを重ねても、諦めるわけにはいかなかった。
全日本出場11大会連続で表彰台を死守し四大陸選手権(16年2月、台湾)、世界選手権の代表にも決定。「もっといい演技ができるように頑張りたい」。17歳・宮原が連覇し、ロシア選手権では16歳メドベージェワが非公認ながら合計234・88点という“世界最高”をマーク。フリーで精彩を欠けば新時代の流れにのみ込まれるところだったが、何とか踏みとどまった。「少しいいイメージが持てたか?」。最後に聞かれ、浅田は笑った。「そうですね、はい」。それは、16年につながる笑顔だった。
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