米のサービス精神に学ぶ 「大会」でファン引きつける試みを
2016年02月21日 09:30
ゴルフ
フェニックス・オープンもAT&Tペブルビーチ・プロアマも米ツアー屈指の人気と伝統を誇る大会だ。前者はアリゾナ・オープンとして1932年に創設され、後者は人気歌手の名前を冠したビング・クロスビー・プロアマの大会名で1937年に始まった。そしてともに日本のツアーにはない特徴を持っている。
フェニックス・オープンは観客の多さで有名だ。今年の大会のギャラリー数は4日間合計61万8365人で昨年の56万4368人を上回り歴代最多。3日目には20万1003人が押し寄せ1日の最多記録を更新した。
なぜこれほど多くのギャラリーが入るのか。会場のTPCスコッツデールがアリゾナ州の砂漠の中に作られたコースで駐車場のスペースが大きいこともそうだが、やはりエンターテインメントの質の高さこそが多くの人を引きつける要因だ。
その象徴が名物ホール16番パー3だ。ティーグラウンドからグリーンまで周囲を巨大なスタンドが取り囲んでいる。収容人員は約2万人。時折、大音量の音楽が流れ、ギャラリーは酒を飲みながら観戦。プレー中も歓声が鳴りやまないことから「世界で最も騒がしいホール」と呼ばれる。そうした雰囲気も手伝って選手がダンスなどパフォーマンスを頻繁に披露する。競技としてのゴルフだけでなく、トッププレーヤーの「ショー」を楽しめる空間になっている。
AT&Tペブルビーチ・プロアマは、カリフォルニア州の名門ペブルビーチ・ゴルフリンクスがメーン会場だが、その他に近隣の2コースを使用。選手は1日ごとにコースを替えながら3日間かけて予選ラウンドを行う。そして政財界の大物、俳優、ミュージシャンらとプロが同組でラウンドする試合形式がこの大会の最大の特徴といえる。
3つのコースを回ることも、アマチュアと同組でプレーすることもプロにとっては負担にほかならない。コースが違えばギアを含め微調整が必要となる。アマチュアとのラウンドは時間もかかるし、自分のプレーに集中するのが難しい。それでもファンにとっては他の試合とは違う魅力となっている。大会が長く続いているのはその証拠だ。
日本のツアーの大会もそれぞれに特徴があるが、これほどファンを引きつける試みを行っている試合は少ない。アピールのためにイベントを実施したり、選手が写真撮影やサインをすることももちろん大切なことだ。ただ大会そのものを根本から見直してファンにとって魅力的な舞台につくり替えることも必要だと思う。(福永 稔彦)
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