崩れつつある師弟の信頼関係 相撲部屋の最も大事な概念
2016年03月31日 09:30
相撲
大関・琴奨菊は自らの専属トレーナーに対して絶対的な信頼を置く。初場所で初優勝できた要因を問われ「トレーナーさんのおかげ」とまで言い切った。もちろん現代のアスリートにとってトレーナーの存在は不可欠であり、30歳を超えた琴奨菊の強さを作り上げた大きな要因となったことは間違いない。しかし、相撲部屋においては師匠の存在を超えて発言することは御法度(ごはっと)だと思う。春場所中、琴奨菊のトレーナーは自らのブログ上で大関の状態を明かしたり、対戦相手の分析なども公表。もし、そうした意見が師匠の考えとは全く異なっているようなことがあれば問題ありと言えるだろう。
2月に行われた相撲協会の理事候補選挙でも、師弟関係のゆがみを感じることが大いにあった。ある相撲部屋の部屋付き親方(現役時代は師匠の弟子)が別の一門の理事候補に投票。通常の師弟関係であれば親子の契りを破ったとして、その時点で破門だろう。しかし、その部屋付き親方は自らの部屋に在籍したまま。もはや師弟関係どころの騒ぎではなく、一門制度自体が崩れつつあると言っても過言ではない。
11月に亡くなった北の湖前理事長(元横綱)は自らの父親の葬儀よりも師匠の葬儀を優先させたという逸話が残る。それほどまでに自らを育ててもらった師匠に恩を感じていたのである。それこそが伝統文化における正真正銘の師弟関係だと考える。北の湖体制が昨年末に終わりを迎え、相撲協会は新たな局面に突入。亡き前理事長がもっとも大切にした師弟の絆という原点を決して忘れてはいけないと最近の相撲界を見て強く思う。(記者コラム・鈴木 悟)
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