錦織 驚異の粘り「ほぼ終わった」「半分諦めた」から大逆転4強
2016年04月02日 05:30
テニス
男子シングルス準々決勝で、世界ランキング6位の錦織圭(26=日清食品)が土俵際からの大逆転勝ちを収めた。世界16位のガエル・モンフィス(29=フランス)に5度のマッチポイントを握られながらも、驚異的な粘りで4―6、6―3、7―6で2年ぶりのベスト4進出を決めた。1日午後7時(日本時間2日午前8時)以降に始まる準決勝では、世界26位のニック・キリオス(20=オーストラリア)と対戦。4大大会に次ぐ格付けのマスターズで、14年マドリード・オープン以来の決勝進出を目指す。
勝負は最後の最後まで分からない。と口では言ってみても、そう簡単に逆転劇を信じ続けられるものでもない。追いつめられた錦織の心境も「ほぼ終わったと思った」「半分は諦めた」。しかし、あくまでも「ほぼ」と「半分」。可能性はゼロではなかった。
霞(かすみ)か雲か。おぼろげにも見えない勝機をたぐり寄せた第3セットだった。先にブレークしながら第8ゲームで追いつかれ、4―5の第10ゲームは0―40からの3連続を含めて4度のマッチポイントを握られた。「とにかく1ポイントずつに集中した」と粘りに粘ってこのピンチを脱すると、第12ゲームもマッチポイントをしのぎ6―6。タイブレークで振り切った。猛暑の中での2時間29分の激闘。「どっちが勝ってもおかしくなかった」。最後にフォアハンドを叩き込むと、ガッツポーズよりも先に膝に手をついて深く息を吐き出した。
モンフィスは身体能力の高さを生かした守備力とトリッキーなプレーが持ち味。「ボールを読む力と動きが良く、決めるのが難しかった」と第1セットは苦しみ、「長いラリーにいら立ちもあった」という第2セットは「前に出て重圧をかけようと思った」とネットプレーも効果的に織り交ぜた。体力と想像力、そして死力を尽くした戦いだった。
自身2度目のマスターズ決勝進出を懸けた相手はキリオスになった。マスターズでのベスト4以上は7度目だが、準決勝までトップ10と当たらないのは今回が初めて。それでも楽な道のりでないことは、この日の試合でも明らかだ。昨年10月の上海マスターズの初対戦で下しているキリオスとの戦いも気は抜けない。
2年前のこの大会では、左脚付け根の痛みでジョコビッチ(セルビア)との準決勝の前に棄権した。当時はチームのスタッフから「準決勝1試合なくなることが、大会にとってどれだけ大きな損失か」とあえて厳しい意見もぶつけられたという。「今は体も強くなった。しっかり回復させて臨みたい」。マスターズ初制覇を目指し、雪辱の舞台は整いつつある。
▽ツアーのシステム 09年から4大大会(全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープン)を頂点に、ATPマスターズ1000、ATP500、ATP250の4段階で格付けされる。4大大会優勝は2000点、マスターズでは1000点と上位大会ほど世界ランクに反映されるポイントが高い。ツアーに出場できるポイントを持たない選手は、さらに下のチャレンジャー・シリーズやフューチャーズ・シリーズでポイントを稼ぐ。
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