「最終選考会」という柔道界の呪縛
2016年04月14日 09:26
柔道
柔道の五輪代表は一発選考ではなく、これまでの世界選手権や国内外の大会によって選定され、選り分けられてきた。選抜体重別も位置づけはそうした選考大会の1つ。最後だからといって特別に2倍、3倍に評価されはしない。トップに立つ選手が逆転不可能なリードを築いていれば、どんな結果もほとんど意味をなさないのである。
今回は女子の48キロ級と70キロ級以外では、大会前にほぼ決着していた。それでも代表となる選手ならばしっかりと優勝してほしい、という思いはもちろんある。だが、モチベーション維持やコンディショニングは簡単ではない。五輪を見据えればなおのこと、ここでピークを作るわけにもいかない。
「最終選考会」で負けたのに五輪代表に選ばれている。普段は柔道をフォローしていない人が見れば、矛盾を感じても無理はない。これはもう柔道の側の問題である。
まぎらわしい看板は外すべきではないのか。代表レースで飛び抜けた選手には早めに内定を与え、五輪前の敗戦で無用に勢いをそぐようなことは避けるべきではないのか。
そうすれば前年の世界選手権から年末のグランドスラム東京大会、2月の冬季欧州遠征、そして選抜体重別と一連の流れがもっと注目されるはずである。賛否はあるものの、マラソンの場合は複数の選考レースがあることでそのたびに注目を集めている。柔道も「最終選考会」の看板にこだわってわずか2日間だけ話題になるよりは、露出も増えるように思える。
それができないのは中継するテレビ局の放映権料によるものか、大会を開催する地方連盟の力によるものか。
幸いにも全日本柔道連盟の山下泰裕副会長は、代表決定時期の前倒しも視野に入れているようだ。早期内定案について、4年後に向けた「検討課題」としている。今回は代表選考の強化委員会を公開にするなど新たな試みに取り組んだ山下氏。ぜひこの問題でも指導力を発揮してもらいたい。
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