リオでの経験生かし、東京五輪ではアスリートファーストを

2016年09月11日 10:15

陸上

リオでの経験生かし、東京五輪ではアスリートファーストを
男子50キロ競歩で力強い歩きを見せ、銅メダルを獲得した荒井
 初めて五輪をテレビで見たのは88年ソウル五輪だった。今でも記憶に残っているのは、競泳100メートル背泳ぎの鈴木大地(現スポーツ庁長官)。いつまでも水面に顔を出さないバサロスタート。そして金メダル。当時、7歳だった私の脳裏に深く刻まれた。そしてもう1つ、衝撃を受けたのが競歩だった。
 ブラウン管のテレビ画面にはクネクネと腰を左右に振り、歩く集団が映し出されていた。失礼ながら初めて見る小学生には、ふざけて歩いているように見え「何だこの変な競技は…」と衝撃的だった。歩き方をマネしてみたりもした。

 あれから28年が経った。今夏のリオデジャネイロ五輪で50キロ競歩を先輩の手伝いで取材する機会があった。そして、その過酷さに驚かされた。50キロは東京―成田間とほぼ同じ。それを3時間半以上かけて歩く。しかもレースが行われたポンタウ会場のコースは1キロの道を25往復。42・195キロのマラソンは市街地を走るため、景色も変わるが競歩は変わらない。炎天下で、より精神的タフさを求められる。歩き方を面白がっていた幼少期の自分を恥じた。

 4年後には東京で五輪が行われる。今回のコースは報道陣がプレスルームから取材エリアに行くのにコースを横切らなければならなかった。行き交う選手が途切れたところを見計らって急いで横断するのだが、少なくとも視界には入るはず。そういったところは改善の余地がある。アスリートファースト。日本中が注目する東京五輪でよりハイレベルなレースを見たい。そして、子どもたちにポジティブなインパクトを残して欲しい。 (黒野 有仁)

おすすめテーマ

2016年09月11日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム