リオ五輪で燃え尽きなかった大山志保 “夢舞台”で得た新たなモチベーション
2016年10月02日 10:30
ゴルフ
06年に賞金女王に輝いた彼女にとって五輪出場は長年の夢だった。09年に右肘を手術し、リハビリに取り組んでいたころ、ゴルフの五輪への復活を知った。それ以来、復帰に向けた大きなモチベーションになった。
「ケガをした時、元の状態に戻らないかもしれないと言われた。凄くショックだった。リハビリに取り組むのも簡単ではなかった。だから復活優勝と五輪出場を目標にしたんです」。右肘のケガから復帰後、国内ツアーで優勝も果たした。五輪出場が最大の目標になった。出場権を獲得した後も首痛などに悩まされたが、何とかプレーできるまで回復した。荷物の入れ替えを続ける大山は声を弾ませて言った。
「私にとって五輪はメジャーよりも上。世界一の大会です」。そしてこんな思いも明かした。
「五輪で一区切り付けようかなと思っているんです。そろそろ婚活も頑張らないといけない。オフには料理を習おうと思っているんですよ」
「引退」という言葉は使わなかったが、目標を達成してゴルフに対する意識が変わっている。そう感じた。リオで燃え尽きてしまうのか。そんな思いで五輪を見ていた。
通算8オーバーの42位。夢見てきた舞台で不本意な成績に終わった大山は号泣した。「五輪後」が気になった。もしかしたら引退してしまうのかもしれない。そう考えていた。だから日本女子プロ選手権で見た大山の笑顔に安堵したのだ。
翌週のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで五輪後初めて大山に会った。「もしかして五輪を区切りに引退しようと考えていました?」と疑問をぶつけた。
大山は笑いながら答えた。「そんなことないですよ」。リオでは悔しい思いをしただけではなかった。「世界のトップの選手たちと戦って“もっとうまくなりたい。もっと飛ばしたい”という気持ちが出てきたんです」。夢の舞台は新たなモチベーションを与えてくれたのだ。
「リオ五輪が終わってすぐ、父に“次の東京も”って言われました。気が早いなって思うけど、父のためにも頑張らなきゃいけないですね。(開催地が)東京でなければ(目指すかどうか)分からなかったですけどね」と4年後の東京五輪出場にも意欲を示した。敗戦を力に変えて、39歳はまだまだ挑戦を続ける。(専門委員)
◆福永 稔彦(ふくなが・としひこ)1965年、宮崎県生まれ。宮崎・日向高時代は野球部。立大卒。Jリーグが発足した92年から04年までサッカーを担当。一般スポーツデスクなどを経て、15年からゴルフ担当。ゴルフ歴は20年以上。1度だけ70台をマークしたことがある。
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