“みのり”の秋…15歳アマ長野 2差首位、初尽くしV王手!
2016年10月02日 05:30
ゴルフ
15歳の女子高生が、初モノ尽くしの快挙に王手をかけた。首位と1打差の2位から出た長野未祈(みのり、15=千葉・麗沢高1年)が4バーディー、3ボギーの70で回り、通算5アンダーの208で単独首位に浮上した。メジャー大会でアマチュアが首位で最終ラウンドを迎えるのは初めて。優勝すればアマチュア初のメジャー優勝となるばかりか、大会最年少記録、女子ツアーの最年少記録まで更新する偉業となる。
初出場のアマチュアが歴史をつくるかもしれない。長野は最終18番で5メートルの軽いフックラインを読み切ってバーディーを奪い、2位に2打差をつけてホールアウト。史上初のアマチュアでのメジャー優勝を目前とし、「最後は入れたら単独首位だと分かっていました。パッティングのタッチが合っていた」と満足そうに笑った。
小学生の頃から2枚重ねた500円玉の上1枚だけをパターで打ち抜くドリルと、設置したレールの上にボールを転がすドリルを毎朝欠かさず続けている。昨年の賞金女王、イ・ボミも取り入れている練習法で、打点のばらつきがなくなり安定したストロークとボールの転がりが得られる。20回連続で入れなければ最初からやり直し。失敗を繰り返せば登校時間に間に合わなくなるため、技術とともに集中力も自然と磨かれた。
さらに、試合前日のイメージトレーニングも女王を手本に行う。イ・ボミはヤーデージブックを見ながらイメージを膨らませるが、ベッドの中に入って目を閉じながらイメージトレーニングするのが長野流。「昨晩はなかなか寝られなくて2ラウンドした。パー5はバーディーを取るイメージで回った」。その言葉通り5番のパー5では残り80ヤードの第3打を58度のウエッジで50センチにつけてバーディーを奪った。
昨年12月には中嶋常幸が主宰する「トミーアカデミー」の合宿で松山英樹と初対面。「太腿がパンパンで下半身がしっかりしていた。米ツアーのお話も聞けて楽しかった」と世界のトッププレーヤーから刺激を受け、自身もスクワットをトレーニングに取り入れるようになった。白いスカートから伸びる脚は引き締まっていてたくましい。
ジュニア仲間で石川遼の弟の航が応援に駆けつけるなど周囲からの期待も集まるが、本人は「あまり記録のことは考えず、自分のプレーができればと思っています」とどこ吹く風だ。勝てば宮里藍が持つ20歳3カ月の大会最年少優勝記録はもちろん、女子ツアーの最年少記録も更新する。過去に例のない偉業に向け、15歳の長野が最終日を迎える。
◆長野 未祈(ながの・みのり)2000年(平12)12月29日、東京都出身の15歳。小学3年生でゴルフを始める。千葉・麗沢中から麗沢高に進学。主な戦績は15年関東ジュニア選手権優勝、16年石川遼カップジュニアチャンピオンシップ優勝など。得意なクラブは7I。ベストスコアは64。家族は父・勝さん(49)、母・尚子さん(45)、兄・利光さん(27)、弟・史歩(しのぶ)さん(10)。名前の由来は「未来を祈る」。1メートル63、59キロ。
【第3R成績】
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