遠藤 思いやり 同部屋“出稽古” 部屋消滅の旧春日山勢拠点へ

2016年11月09日 05:30

相撲

遠藤 思いやり 同部屋“出稽古” 部屋消滅の旧春日山勢拠点へ
弟弟子への思いやりで出稽古を行った遠藤
 【大相撲九州場所 ( 13日初日 福岡国際センター )】 大相撲秋場所で13勝を挙げて平幕上位に復帰した遠藤(26)が8日、春日山部屋消滅に伴って自らが所属する追手風部屋に移籍してきた力士と初めて稽古を行った。追手風部屋は九州場所(13日初日、福岡国際センター)の宿舎を福岡市西区今津に構えているが、この日は旧春日山勢が拠点とする佐賀市に“出稽古”。部屋頭として自らぶつかり稽古で胸を出した。
 遠藤は午前6時すぎに福岡市西区の宿舎を出発し、車で約1時間半かけて佐賀市に到着。追手風部屋別院で“出稽古”を行った。春日山親方(元幕内・浜錦)が秋場所後に日本相撲協会からの師匠辞任勧告を受諾し、同部屋の力士らは追手風部屋に移籍。だがスペースなどの都合もあり、旧春日山勢は昨年までと同じ佐賀市の宿舎で部屋付きの中川親方(元幕内・旭里)監督の下、稽古を行っている。遠藤にとってはこの日が初顔合わせとなった。

 春日山部屋消滅で力士23人中12人が引退届を提出した中、現役続行の道を選んだ三段目・浜春日にぶつかり稽古で胸を出した。「違和感はありますけど(旧)春日山部屋力士はもっと複雑だと思う。そういった感情が本場所に影響しないようにいい作用が働けばいいと思います」と遠藤。最も番付が高い部屋頭として悩める力士たちを思いやった。浜春日は「困惑しているが、関取に胸を出してもらってありがたかった」と感謝した。

 引退届を提出した12人に加え、さらに2人が引退を検討中で、九州場所へ調整する旧春日山勢の力士は9人。追手風部屋預かりはあくまでも部屋が再興するまでの一時的な措置だけに、師匠の追手風親方(元幕内・大翔山)は「一日も早く新しい師匠が決まってもっと集中できるようにしないと」と話した。

 先場所13勝を挙げて平幕上位に復帰した遠藤の調整は順調そのもの。苦境に立たされている力士たちにとって、この日稽古をつけてくれた部屋頭の九州場所での活躍はプラスに働くはずだ。

 ◆春日山部屋が消滅した経緯 日本相撲協会が春日山親方が先代親方と係争中の年寄名跡証書を所有しておらず、秋場所中には部屋を訪れていないとの調査結果を受けて、10月12日の臨時理事会で辞任勧告。所属力士23人らは、同じ伊勢ケ浜一門の追手風部屋に移籍となったが、半数以上の12人が日本相撲協会に引退届を提出した。

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