日本代表・朴監督 あえて“桃田問題”を語った理由
2016年11月09日 10:54
バドミントン
「今は深く反省して、所属チームで練習に励んでいると聞いています。もし人間的に成熟し、バドミントンの世界に戻ってくることができるのなら、日本の男子はメダルに近くなるし、20年東京五輪でもメダルの可能性があると思います」。
4月の問題発覚後、バドミントン界には桃田の話題に触れることを避ける空気があった。リオ五輪後も、金メダルの快挙に水を差すようで、桃田の話題を持ち出しにくい雰囲気が続いた。そんな中で、朴監督が公式の会見の場で桃田問題について切り出した。そこには大きな意味があったと思う。
トップアスリートはどうあるべきか。同じ過ちを繰り返さないために、選手や指導者、関係者に対し、いま一度見つめ直す必要があるというメッセージがその一つだ。そして、もう一つは、桃田本人へのメッセージ。再起を待っている、と。
朴監督は現役時代、92年バルセロナ五輪で男子ダブルスで金メダル、96年アトランタ五輪では混合ダブルス銀メダルを獲得した。15歳から16年間韓国代表で活躍し、その後指導者に転じた「名選手にして名監督」だ。だからこそ、才能ある若い選手の育成についても厳しい意見を述べた。
「天才と呼ばれる選手も、誠実さ、努力、人格面を兼ね備えていなければ、世界的な実力を維持できない。早く花開いて、早く散る選手もいる。選手たちを正しい方向に導いていきたい」。
現在、日本バドミントン協会は朴監督との20年東京五輪までの契約延長を協議中で、12月にも正式に続投が決まる見込みだ。一方、桃田は処分解除の見通しはたっておらず、いつ試合に復帰できるかは未定だ。ただ今週末には熊本地震復興イベント(12日熊本市、13日益城町)に参加する予定。今後は社会貢献活動などを通じて反省の姿勢を示していくことになる。復帰へ向けた第一歩となりそうだ。
桃田はまだ22歳。散った選手ではない。20年東京五輪の指揮官は、男子エースの復活を信じている。(柳田 博)
おすすめテーマ
2016年11月09日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
浅田真央、フランス杯へ出発 初出場・新葉は「わくわく」
-
日本代表・朴監督 あえて“桃田問題”を語った理由
-
13歳・張本、平野美宇が「ブレークスルー・スター」候補に
-
宮原知子 ミスパーフェクトのスイッチが入るとき
-
松山 大先輩・中嶋が太鼓判 マキロイ以上「超一流の仲間入り」
-
松山「良い流れを持続できている」「感触は悪くない」
-
谷原2週連続Vへ 予選ラウンド「良いペアリングだと思う」
-
「プロの奈紗」藍超え決勝Rだ!デビュー戦は同じ伊藤園L
-
遠藤 思いやり 同部屋“出稽古” 部屋消滅の旧春日山勢拠点へ
-
豪栄道 11勝5敗疲れなんの好感触「トータル的にまずまず」
-
博多駅前陥没も九州場所OK 境川理事「一日も早く復旧を願う」
-
バレーボール協会 東京都に「有明アリーナ」新設の嘆願書
-
丸川五輪相が4者の実務レベル協議を評価「非常に前向き」
-
スポーツ庁最終報告書公表 ドーピング検査員不足指摘
-
川内「まずい…」 2位に満足せず泣き言連発での帰国
-
宇野ロシア杯から帰国 2位も「悔しかった」早速練習
-
平昌フィギュア日程 男女とも全種目異例の午前開始
-
カーリング 王者・韓国倒した軽井沢ク4勝目