錦織 善戦も慰めにならず「いくら攻めても負ければ意味はない」
2016年11月17日 11:17
テニス
錦織はできる限りコートを幅広く使い、相手を走らせて勝機を探った。A・マリーは衰え知らずの体力で、全てのボールに食らいついた。
第1セットは錦織に5本、A・マリーには3本のセットポイントがあった。タイブレークのスコアは11―9。このセットだけで1時間25分を費やす消耗戦だった。3月のデ杯は4時間54分、9月の全米オープンは3時間58分(いずれも5セットマッチ)。今回のマラソンマッチは3時間20分をかけてようやく決着。ATPツアー・ファイナルの歴代最長試合時間(記録の残る91年以降)を更新した。
紙一重に見えた勝敗を分けたのは何だったのか。
A・マリーが挙げたのは、第3ゲームでブレークに成功した最終セット序盤の攻防だった。「彼のサーブをブレークして、その後の長いゲームで2本のブレークポイントをしのぎきった。向こうは5分ぐらいがっくりきていたみたいだった。その間に5―1とリードを広げられたんだ」
最終セットに入ると、錦織は相手のリターンの圧力に抗しきれなくなり、ストロークでもミスが早くなっていた。錦織は「体力的にはそんなに問題はなかった」と言ったが、心身ともに消耗しているように見えた。先行されたことは、より大きなダメージとなった。
「最終セットもマリーのレベルが落ちない。そういう差はまだあるかな。テニスの差はなくなってきている。メンタルや大事なポイントの集中力、駆け引きがまだ少し彼の方が上だった」
であれば、悔やむべきはもっと前の場面、第2セットの最初のサービスゲームだろう。錦織も「第2セットの初めでいきなりブレークされたのは一番悪かった。あそこで耐えていれば展開が変わったかもしれない」と振り返った場面だった。
第1セットを粘り勝った直後の自分のサービスゲーム。「集中力を使った後で多少放心状態だった。それを戻せなかったのがまだまだ」とエアポケットにはまったかのようにブレークを許した。試合の流れは錦織にあった。ここを慎重に押さえ、ストレートで勝ち切る。それが勝利への道だったかもしれない。
「負けは負け。いくら攻めても負ければ意味はなくなる。最後の最後までもうちょっと頑張りたかった」
Winner takes all. 世界1位に善戦したことも錦織への慰めにはならない。しかし、だからこそ次への期待も膨らむ惜敗だった。
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