何気にすごい
2017年02月16日 09:30
自転車
そんな名門チームの皆さんと名刺を交換した際に冒頭のコメントをいただき、ちょっと涙が出そうになった。なにしろデジタルメディア全盛の昨今。スポーツ紙のフロント面よりネットのポータルサイトに取り上げられる方が…というジクジたる思いを勝手に抱いていたからだ。
早速、1面を飾る可能性をいろいろと考えてみた。選手紹介資料を熟読する。すると、「ん?」と気になる選手が何人かいるではないか。
まずはロードの西薗良太(29)。昨年は全日本タイムトライアルで優勝し、ロードでも2位に入った豪脚だ(ちなみに優勝したのは同僚の初山翔=28)。
ニシゾノって、どこかで聞いた名前だぞ。う〜ん。もしかして、東京大学出身の、あの西薗?正解だった。繰り返すが、トーダイ出身。学生時代から頭角を現し、一度引退しながら現役復帰を果たしたという異色の経歴の持ち主だ。なんと言ってもスポーツ紙は高学歴選手が大好きだから、今後トップを飾る可能性も大いにある。
サポート選手ではトライアスロン女子の上田藍(33)に注目だ。2008年北京から3大会連続で五輪に出場。昨年のリオでは39位だったが、五輪後の国際大会で好成績を残し、現在の世界ランクは3位!つまり今年は十分に優勝を狙える位置にいる。間違いなく1面候補だ。
同じくサポート選手にはパラリンピック・トライアスロンの谷真海(34)の名もあった。旧姓佐藤といえばピンとくる人も多いはず。こちらもパラリンピック3大会連続出場。2012年ロンドン大会陸上走り幅跳び9位の、あのヒロインだ。13年の国際オリンピック委員会総会で東京五輪・パラリンピックの招致スピーチを行ったのは記憶に新しい。その谷が出産を経て競技復帰を果たしたのが昨年のこと。選んだのは鉄人レースでおなじみのトライアスロンだ。「母は強し」もまた、わがギョーカイ的に大歓迎。
スポニチの1面が世間的にどれほどのインパクトがあるのか、と言われればそれまでだが、前述の3人を含めた選手全員にその可能性がある、ということだけは間違いないところ。口を大きく開けて待っています。
待ってるだけじゃだめだけど。(専門委員)
◆我満 晴朗(がまん・はるお)1962年、東京都生まれ。ジョン・ボンジョビと同い年。64年東京五輪は全く記憶にない。スポニチでは運動部などで夏冬の五輪競技を中心に広く浅く取材し、現在は文化社会部でレジャー面などを担当。たまに将棋の王将戦にも出没し「何の専門ですか?」と尋ねられて答えに窮する。愛車はジオス・コンパクトプロとピナレロ・クアトロ。
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