つけ麺1キロペロリ“大食い女子”山田沙羅 空手界の超人目指して
2017年02月28日 09:10
空手
「監督には引っ込み思案と言われます。空手になると熱くなるんですけど(笑い)」
――凄く食べると聞いたんですけど、体格はスリムですね。
「食べるのは大好きで、つけ麺だと900グラム食べたりします」
――約1キロ!?それってどういうこと?
「特盛りを頼んで、食べきれなかった人たちの分を全部(笑い)」
――同期の男子と比べても食べる方?
「もう、おなかいっぱいって、男子の分が回ってきたりします」
――男子に頼りにされるほどの大食いって凄いですね。家でも?
「コロッケなら10個以上は食べます」
――それも凄い。
「お母さんが晩ご飯に20個ぐらい作るんです。そのうち半分以上は自分が。残りをお父さんとお母さんと弟の3人で食べます」
――分け方がおかしい(笑い)。
「本当はもっと食べられるんですけど、体重が増えると空手にも影響するので。食べた分は動いて消費してます」
――空手はいつから始めたんですか。
「7歳から。家が東京武道館(東京都足立区)の近くだったので、両親が武道をやらせたいと思ったようで。それで、なぜか自分で空手を選びました(笑い)」
――小中高と日本一。でも大学では4年生までなかなか勝てなかった。つらい時にやめたいと思ったことは?
「一度もないです。空手が凄い好きで。空手のことを考えてない時の方が少ないぐらい」
――えっ、ずっと考えてるんですか。
「休みの時も空手の動画ばかり見てます。見だすと止まらなくて」
――止まらない!?
「YouTube見てると、それに関連した動画が出てくるので。“あなたへのおすすめ”も、空手の動画ばかりです(笑い)」
――空手の魅力は?
「駆け引きですね。相手が何をしてくるか探りながら、自分が出す技を決めなきゃいけない。難しいですが、うまくいったときは気持ちいいし、楽しいです」
――実は心理戦、頭脳戦なんですね。
「相手の技をさばいてから攻撃するパターンもありますが、自分は相手が出てくる瞬間、相手が技を出したいって思っている時に、先に出せるようにしています」
――ルールは寸止めですよね。難しくないんですか。
「コントロールされている突きだったら、当たってしまってもポイントになることが多いです」
――実際に当てられることもあるんですね。ケガはしない?
「顔に当てられて打撲したりとか」
――大きいケガもあったんですか。
「はい、高校1年の時に、眼底骨折を」
――エーッ!痛そう…試合で?
「いえ、姉弟げんかで(笑い)」
――空手じゃないじゃないですか(笑い)。
「いえ、弟も空手をやっていて。最初は口げんかでしたが、手が出たんだと」
――弟さん、相当叱られたでしょうね。
「そうですね。でも、今は仲良しです(笑い)」
――空手の練習はハードだと思いますが、リフレッシュは?
「岩盤浴はけっこう行きます。あと、お菓子を作ったり」
――かわいい!
「自分で食べるんですけど(笑い)」
――自分で!?誰かに持って行くのかと。
「道場にも持って行きます。シュークリームとかクッキー、同期にはチーズケーキやガトーショコラだったり」
――凄い。ほかにはありますか。
「本も好きです。湊かなえさん、東野圭吾さんの作品をよく読みます」
――どんな時に読むんですか。
「毎日、半身浴をしているので、そのお供に読んだりしています」
――テレビは見ますか。好きなタレントさんは?
「俳優の窪田正孝さん。湊かなえさん原作の“Nのために”というドラマで好きになりました」
――意外と細めの人がタイプ?
「細い人が好きなんだねって、よく言われます。練習で疲れているので癒やし系がいい(笑い)」
――恋人はインドア派、アウトドア派ならどっちがいいですか?
「自分がインドア派なので、そっちの方が」
――それも意外。あまり外出しないんですか。
「食べに行ったりする以外は家で。休日も空手のために体を休めることを優先的に考えちゃう。遊びに行ったり、お酒を飲んだりもしないので」
――遊ばない?お酒も飲まない?
「練習に支障が出たら嫌だなと思って」
――東京五輪まで3年ですね。
「昨年の世界大会では3位だったので、リベンジしたい。自分が国際大会でも勝てることを証明してから、選考会などに出たいです」
――東京は地元ですもんね。
「出場できたらたくさんの人が応援に来てくれると思う。金メダルを獲って恩返しがしたい」
――頼もしい!ちなみに、山田選手って怖いものはあるんですか。
「ムシ」
――2文字でズバリ(笑い)。どんな虫?
「全般的にダメなんですけど、一番嫌いなのはセミ」
――セミですか!?
「急に飛んできたり、死んでいると思ったら、いきなり動いたり。夏合宿で山の方に行くと逃げ回ってます」
――最強の敵?
「虫とは戦えないです(笑い)」
◇空手 20年東京五輪の追加種目。男女各3階級の組手と男女個人形の計8種目で実施見込みで、会場は日本武道館。組手(寸止め)はポイント制で、先に技を入れると得点になる。攻撃部位は上段(頭部・顔面・頸部=けいぶ)と、中段(腹部・胸部・背部・脇腹)で上段蹴りは3ポイント、上段、中段への突きは1ポイントなど。8ポイント差、または試合終了時にポイントの多い方が勝利。同点の場合は判定。試合時間は男子3分、女子2分。
◆山田 沙羅(やまだ・さら)1994年(平6)5月2日、東京都足立区生まれの22歳。小学1年から空手を始め、6年時に全日本少年少女空手道選手権V。中学、高校でも全国大会優勝、大学では16年の全日本学生選手権を制した。昨年10月の世界選手権では女子組手55キロ級で銅メダル。身長1メートル67、55キロ。
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