稀勢「一生の思い出になるような大阪場所」激闘Vに感慨
2017年03月28日 05:30
相撲
千秋楽の照ノ富士との本割、優勝決定戦は左から全く攻められない状況だった。だが、少しでも相撲が取れる可能性があるなら土俵に上がりたいという気持ちだった。「やると決めた以上、諦めないでやろうと思った。元々であれば、15日間、万全の状態で務め上げるというのが使命というか。ああいう見苦しいテーピングとかしなくてはいけない状態になってしまった自分が一番悪いと思っている」。優勝できたことよりも、満足な状況で土俵に上がれなかったことを反省した。
横綱になって責任感は増している。4月2日からの春巡業の出場には前向きだ。負傷箇所の痛みは「ほぼほぼない」と言うが「自分では分からない状態。あとは検査次第」と診断を見て判断することになるが、休みたくないという気持ちの方が強い。「なるべくなら巡業に出るというのも僕の使命だと思っている。行けるのであれば出る方向で、ダメであればしっかり休むという選択もある」と話した。
稀勢の里は最近の巡業で、先頭に立って稽古を行ってきた。横綱、大関に休場者が多かったこともあるが、「稽古を休む理由がない」と話したこともあった。今回は横綱になって初の巡業。春場所を途中休場した横綱・白鵬、大関・豪栄道、負傷を抱える横綱・日馬富士、大関・照ノ富士が参加できるか微妙なだけに、自分が土俵入りだけでも参加したいと思うのは愚直な横綱ならではだ。
17年ぶりに4横綱時代となった場所で最初に賜杯を抱いても、それは通過点としか捉えていない。「こういう優勝はまた目指していきたいと思うし、そこで維持するというものではなく、一つ一つ今までやってきた通り階段を上っていくような気持ちで追い求めて、やり続けていきたい」
亡き師匠、元横綱・隆の里の元鳴戸親方からは「横綱になると見える景色が違う」と言われたが「まだまだ。まだ1場所だから」と、その境地には達していない。そこにたどり着くまで鍛錬を続けていく。
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