桐生の快挙で改めて考えたい 新国立競技場のレガシーとは
2017年09月14日 10:30
陸上
すでに取り壊された旧国立競技場では91年の世界陸上でカール・ルイス(米国)が9秒86の世界記録(当時)をマークしている。記録を出すには選手たちの努力はもちろんだが、トラックの素材や風も大きく影響する。現在の全天候型トラックは合成ゴム系とウレタン系に大別される。新国立競技場のトラックが最終的にどんな素材になるのかはまだ分からないが、グラウンドレベルでの風の強さや方向なども十分考慮した最新の高速トラックになるだろう。そこで桐生や他の日本選手がどんなドラマを見せてくれるのか、今から待ち遠しい。
ただ残念なことに、新国立競技場は五輪後に球技専用場に改修される予定で、もし桐生や他の日本選手がファイナリストになっても、歴史的なトラックは引きはがされ、レガシーは何も残らない。陸上競技では採算が取れないと言われれば反論の余地はなく、桐生らがどんなに頑張ってもその流れを変えることは容易ではないだろう。
ならばせめて記念のトラックはどこか他の競技場に移設するか、公園で展示するなど、レガシーを後世に伝える努力をしてもらいたい。日本人が100メートルで決勝に残るということは、それだけの価値が十分にあると思うのだが。 (編集委員)
◆藤山 健二(ふじやま・けんじ)1960年、埼玉県生まれ。早大卒。スポーツ記者歴34年。五輪取材は夏冬合わせて7度、世界陸上やゴルフのマスターズ、全英オープンなど、ほとんどの競技を網羅。ミステリー大好きで、趣味が高じて「富士山の身代金」(95年刊)など自分で執筆も。
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