栄強化本部長辞任 レスリング協会臨時理事会 パワハラを認定
2018年04月07日 05:30
レスリング
日本協会が設置した弁護士3人で構成する第三者機関は伊調、栄氏らの聞き取りを終了。同協会側は5日に調査内容の説明を受けた。栄氏、日本協会はともに告発内容を否定してきたが、栄氏は結局、自ら幕を引いた。福田会長によれば、至学館の学長でもある谷岡郁子副会長が理事会に辞表を持参。栄氏の「不徳のいたすところです」というコメントが付いていたという。栄氏は代表チーム指導の立場からも退く。協会の常務理事の職務にもついているが、協会としての処分は内閣府の調査なども踏まえて下す方針。福田会長は「(栄氏から)辞表が提出されなくても解任はあり得た」と語気を強めた。
第三者委員会のヒアリング対象者は19人に上り、期間も08年8月から18年3月8日の10年間にさかのぼって調査した。明確なパワハラ認定は日本代表合宿に参加した伊調に対し「よく俺の前でレスリングできるな」という発言など、伊調を指導した田南部力氏に対するものを合わせ4件。告発状にあった男子合宿への参加禁止や練習場確保の妨害については認定されなかった。
調査報告書は協会の倫理規定の形骸化を指摘。また理事や強化本部長が優越的な地位を占める現状から、第三者を代表選手やコーチの選考過程に組み入れてより透明化すべきだと提言した。福田会長は「どれぐらいさかのぼるかによるが(協会には)相当古くからパワハラが存在してこういう問題が起き、改めて対処しないといけない。しっかり改善、改革というものを今後やっていかないといけない」と神妙に語った。
【パワハラ問題経過】
▼1月18日 レスリング関係者が代理人を通じ、内閣府の公益認定等委員会に伊調が栄氏にパワーハラスメントを受けたとする告発状を提出。
▼3月1日 日本レスリング協会が「当協会が伊調選手の練習環境を不当に妨げ制限した事実はない」などと告発内容を否定。
▼6日 日本協会が倫理委員会を開き、弁護士による第三者機関を設置し、関係者への聞き取り調査を委託すると決定。内閣府も調査の意向。
▼13日 伊調が内閣府の聞き取りに応じる。
▼18日 伊調が第三者機関の聞き取りに応じる。
▼4月5日 第三者機関が報告書の内容を日本協会に説明。栄氏の行為の一部をパワハラと認定。
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