新入幕の夏場所で10勝&敢闘賞 旭大星の魅力とは?
2018年05月31日 13:08
相撲
2日目に安美錦を下してマークした初白星は98年夏場所千秋楽の北勝鬨以来20年ぶり。新入幕での勝ち越しは大翔鳳以来27年ぶり、9勝は琴千歳以来37年ぶり。千秋楽に手にした白星は北瀬海以来、46年ぶりの新入幕での2桁勝利。勝ち星を積み重ねるごとに、長い間空白が続いていた“道産子力士”の数字を更新していった。
「僕は記録が好きなんですよ。記録は、破るためにあると思っている」。そう言ってのけた旭大星は、数字や期間に付加価値を持たせるメディアにとって注目すべき力士だった。でも、私たち記者が15日間、彼を追い続けたのは、それだけではないと思う。
旭大星は、素直で明るく、よく笑う。
まず取り口と狙いを説明してから、純粋な感想を口にする。「今日はいい相撲!」「相手が強かったわぁ〜」「何とか(幕内)残留!」。勝っても負けても丁寧な対応は変わらない。時には弱気な言葉で笑いを誘った。会心の相撲で荒鷲を破り、6勝2敗とした8日目には「あとは2勝5敗でいいんですよね?」というコメントを残している。
話題は取組にかけられる懸賞や、6月に控える結婚披露宴について及ぶこともあった。そして、支えてくれる周囲に感謝の言葉を並べ続けた。「今場所もらった懸賞金は全部、人にあげる予定です。自分で使うのは次ですね」。28歳を囲む輪には15日間、いつも笑顔が咲いていた。
千秋楽は10勝目を挙げて敢闘賞を受賞。「2桁&三賞」は4月の新入幕会見で師匠の友綱親方と宣言したものだった。有言実行。「まさか本当になるとは…上出来ですよ」と恐縮した。NHKの勝利力士インタビューには計3回登場。「うれしかった。(インタビュールームは)心地いいですね」。テレビを通じて彼の笑顔を知った大相撲ファンも多いはずだ。
生母である大串真由美さん(享年37)は03年に、がんのため天国へ旅立った。「天国でも、星になって見守ってくれている。そして自分も大きな星にならないと。そういう意味も込めています」。旭大星はしこ名の由来について明かした。
夏場所で放った輝きは間違いなく「星」にふさわしいものだった。強く、明るく、元気よく。もっと大きな星を目指して、挑戦は続いていく。(斎藤 純)
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