有村逆転∨ 涙止まらない6季ぶり歓喜「自分に期待できなかった長い日々が終わった」
2018年07月16日 05:30
ゴルフ
2打差を追って4番で30センチにつけてバーディーを奪うと、6番からの3連続バーディーでスコアを伸ばした。後半は青木とのマッチプレー。15番のバーディーで並ぶと、16番でボギーを叩いた青木を18番で突き放した。
喜びの涙には6年間の苦悩が込められている。国内では08年からの5年間で13勝。12年には賞金ランク3位とトッププロの地位を築き、翌13年から満を持して米ツアーへ飛び込んだ。だが、夢舞台への挑戦は苦悩のスタートでもあった。
持病になっていた左手首のケガもあり全く自分のゴルフができず、13年は賞金ランクは61位に低迷。自信も喪失した。10月の韓国のハナバンク選手権では「ボールさえ打てない。何をしたらいいか分からなかった。涙を流しながらプレーした」と迷路にはまった。「試合に行くのもつらい。心が死んでいた」と振り返る状態で、14、15年は復調どころか、さらに自分のゴルフを見失っていく。そんな有村にアドバイスを送ったのが東北高の先輩で憧れの人でもある宮里藍さん。「ありのままのあなたでいいんだよ」の言葉に何度も救われた。
16年に国内ツアーに復帰も振るわず、過去2年は最終予選会からの出場に甘んじた。それでも「全盛時代と比べるのはやめよう。結果は出なくても良くなっている」と言い聞かせ、もがく自分に正面から向き合うと、今季はサントリー・レディースでプレーオフの末に2位。そして6年ぶりの優勝につなげた。
来季までの出場権を確保。「若い時より確実にいいと思えるのが一番うれしい。30代でもやれるところを見せたい」。苦難を乗り越えた30歳はメジャー制覇や海外再挑戦にも意欲を見せた。
<ブランク優勝> 有村の優勝は5年309日ぶりとなったが、日本女子ツアーの最長ブランクVは11年210日の池渕富子。97年5月18日のヤクルト・レディースで、85年10月20日の富士通レディース以来。最近では2015年8月2日の大東建託・いい部屋ネット・レディースで、原江里菜が歴代10位となる6年350日ぶりの優勝を果たした。
<勝者のクラブ>▼1W=ヤマハRMX116(9・5度、45インチ、SRシャフト)▼3W=キャロウエー・ローグスター(15度)▼5W=ブリヂストンJ015(18度)▼4・5U=タイトリストVG3▼6I〜9I、PW=ヤマハRMX118▼ウエッジ=タイトリスト・ボーケー・フォージド48度、52度、58度▼パター=オデッセイ・Oワークス▼ボール=ブリヂストン・ツアーBX。
【有村の苦闘6年】
★2012年 日本女子プロなど年間3勝で賞金ランクは年間3位。最終予選会5位となり米ツアーの優先出場権を獲得。
★13年 米ツアーに本格参戦。トップ10は3度で最高順位は5位だった。賞金ランクは61位。
★14年 米ツアーでのトップ10入りはなく、ランクも104位に低迷。最終予選会に挑戦するもシード権を逃す。
★15年 米ツアーでは、下部ツアーが中心。同ツアーの年間ランクは15位で10位以内に与えられるシード権には届かす、最終予選会も43位。
★16年 5月に米ツアーからの撤退を決断。熊本地震を機にシーズン途中で国内ツアーに参戦。10試合に出場。国内ツアーの最終予選会で17位。
★17年 主戦場を米ツアーから本格的に日本に戻したが、30試合でベスト10は1度。賞金ランク58位でシード権逃す。
★18年 宮里藍サントリー・レディースでプレーオフの末に惜敗し2位。リランキングで4位になるなど徐々に復調示し、6年ぶりの優勝つかむ。
おすすめテーマ
2018年07月16日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
野村敏京は32位 スワナプラがツアー初V
-
15歳の張本智和、アイス食べて夏場を乗り切る
-
25歳マイケル・キム、ツアー初V
-
谷原秀人は58位「パットが決まってくれない」
-
ジョコ完全復活V、4大大会2年ぶり制覇!肘手術後の低迷乗り越え「素晴らしい気持ち」
-
ケルバー初∨復活劇「幼い頃からこの瞬間を夢見てきた」
-
上地組∨!自身5年連続タイトルも意気込み「来年はシングルスの決勝に」
-
ラグビー日本代表マフィ 遠征先でチームメイトに暴行逮捕
-
有村逆転∨ 涙止まらない6季ぶり歓喜「自分に期待できなかった長い日々が終わった」
-
青木2差2位…15番パットミス 野沢最高5位 史果悔しい8位
-
谷原“尻すぼみ”好調一転、海風に苦しめられた決勝R「生かしていきたい」
-
浅野トップ通過(73) デフゴルファー袖山2位で決勝「子供たちの憧れや目標になりたい」
-
敏京39位浮上 米女子ゴルフマラソン・クラシック
-
マークセンV3 日本シニアOP
-
御嶽海 V一直線給金!出羽海部屋43年ぶり中日単独首位
-
同体呼んだ!遠藤 執念右足から取り直しで1敗死守
-
“金魚”の朝乃山 進化予感7勝目「優勝を狙います」
-
安美錦 大鵬と並ぶ歴代8位872勝「長くやってきたご褒美」
-
千代の海 5勝目も悲痛…西日本豪雨で同級生亡くす
-
体操・内村 超硬マットに警戒「これで試合やるの!?って感じ」
-
フェンシング西藤 V秘策は“太田完コピ”19日開幕世界選手権
-
サンウルブズシーズン統括 来季ジョセフHC兼任解き、代表コーチから新HC指名
-
19年ラグビーW杯 日本第4の相手サモアに決定