世界体操で活躍の萱、内村も認める“くそ練習野郎”

2018年11月19日 09:00

体操

世界体操で活躍の萱、内村も認める“くそ練習野郎”
体操男子の萱和磨 Photo By スポニチ
 16年リオデジャネイロ五輪の体操男子団体総合を制した日本は、表彰式後に会見に臨んでいた。「1人1人、紹介してもいいですか?」。キング・内村航平(リンガーハット)が、白井健三(日体大)ら当時のチームメートを各国のメディアに紹介したことを今でも覚えている。
 今年の世界選手権(カタール)では、リオ五輪以来の団体総合が行われた。この代表を内村が紹介するとしたら、どんな言葉で表現するのか。大会前にこっそり聞いていた。世界選手権では残念ながら団体銅メダルに終わったため、紙面では紹介する機会がなかったので、ここに書く。

 世界選手権で自他ともに納得の活躍をした選手は、萱和磨(順大)だろう。右足首故障の影響で6種目の演技を断念した内村に代わって出場した個人総合では、メダルには届かなかったものの日本最上位の6位。団体決勝では4種目を任され、苦手だった床運動でも種目別決勝に残った。

 内村は萱を「くそ練習野郎」と表現する。そのココロは?「僕もけっこう練習をやる方だけど、僕が見てもすごいと思うくらい練習の虫。だから、あの安定感が出せる」と内村。言葉は汚いが、“くそ”も“野郎”もキングが選手を褒める時の常套句だ。萱にとっては15年グラスゴー大会以来の代表。当時とは練習への取り組みが違っていた。

 3年前は個人総合10位、種目別あん馬で銅メダル。内村は言う。「グラスゴーの時は“練習やってるな〜”くらいの感じだったけど、今は“すごくいい練習やってるな〜”ってイメージ」。トレーニングの量はもちろんだが、質も追求。「意味のある、濃い練習が年々できるようになっている」と萱も自信を見せていた。

 個人総合で23年ぶりにメダルに届かず、11年ぶりに金メダル0だった世界選手権。体操ニッポンにとって悔しい結果に終わったが、萱は「練習で培ってきたものを100%に近いくらい出し切れた。緊迫した場面で、縮こまらずに演技できた」と確かな手応えをつかんだ。

 23日には新設の国内大会・個人総合スーパーファイナル、25日は全日本団体選手権(ともに高崎アリーナ)に出場。白井、谷川兄弟らとしのぎを削る。両大会に内村は不在だが、大舞台で自信を深めた“くそ練習野郎”に刮目せよ。(記者コラム・杉本 亮輔)

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