【吉田沙保里さん引退会見 全文(1)】若手の勢い感じた…「バトンタッチしていいのかなって」
2019年01月10日 17:40
レスリング
「皆さん、こんにちは。吉田沙保里です。本日はお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。私、吉田沙保里はこのたび、33年間のレスリング選手生活に区切りをつけることを決断いたしました。自国で開催される東京五輪に出場したいという思いと、リオ五輪で銀メダルに終わってしまいたくさんの方にまた金メダルを目指して頑張ってほしいという応援に支えられつつも、日々迷いながらここまで来ました。また若い選手たちが世界の舞台で活躍する姿を多く見るようになり、女子レスリングを引っ張っていってもらいたいという思いにもなりました。そしてあらためて自分自身と向き合った時にレスリングはすべてやり尽くしたという思いが強く、引退することを決断いたしました。これまで長い間、現役選手として頑張ってこれたのも本当にたくさんの方々の応援とサポートがあったからだと思います。本当にありがとうございました」
――あらためて今(引退の)あいさつをしてどんな気持ち?
「3歳から始めたレスリング。33年間もやってこれたことをうれしく思いますし、これまでたくさんの方に応援していただいてこの場を設けさせてもらって感謝の気持ちを伝えることができたので本当にホッとしています」
――最終的に決断したのはいつ?
「リオ五輪が終わって次は東京五輪だったので、東京五輪出たいなっていう思いもありましたし、リオ五輪で銀メダルに終わってしまって、自分の父が生前、引き際は大事だよ、やっぱり勝って終わることが大事だ、とずっと言われていたので。たくさんの人にも東京五輪に出て金メダルを、という声をたくさんもらった時に自分も頑張らないといけないのかな、頑張ろうかなっていう思いもありながら、すごく迷ってここまで来たんですけど、本当に若い選手たちが世界で活躍する姿を見ることも多くなって、この子たちに今度バトンタッチしていいのかなって思うようになったりとか、練習をしている中でも、本当に若い子たちの勢いも感じましたし、やり尽くしたなって思いもだんだん強くなっていったので、最終的に昨年12月の天皇杯の試合を見たりして、そのへんから心が決まりました」
――天皇杯で伊調馨選手が優勝して東京五輪のことを口にした。あの時、心は動かなかった?
「私は昔から、自分は自分、人は人というふうに教えられてきたので、本当に自分自身はやり尽くしたと。もうやりきったという思いの方が強かったので心は動かなかったですけど。伊調馨選手は本当に素晴らしい選手で、ここまでずっと仲間として頑張ってきたので東京五輪を目指すと馨の口から聞いた時に率直にすごいなって感じました」
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