渋野、日本勢42年ぶりメジャー制覇!“スマイルシンデレラ”歓喜の瞬間も笑顔「全然涙が出てこない」
2019年08月06日 05:30
ゴルフ
![渋野、日本勢42年ぶりメジャー制覇!“スマイルシンデレラ”歓喜の瞬間も笑顔「全然涙が出てこない」](/sports/news/2019/08/06/jpeg/20190805s00043000321000p_view.jpg)
「やっちゃいましたね、本当に。なんで勝っちゃったんだろう」
3番で今大会初のダブルボギー。グリーン上では手が震えた。首位から2位に後退。だが、「4パットは自分が攻めた結果」。そこから目の色が変わった。「追われるよりも本領を発揮できる」。闘争心に火が付いた。
得意のインコースでエンジンがかかった。象徴的だったのは253ヤードと短く設定された12番パー4。「ドライバーを持たなかったら悔いが残る」。同組のブハイが2オンを狙う中、渋野は1Wを手に取った。グリーンは池の奥。リスク覚悟でぎりぎり手前のカラーに着弾させ、バーディーを奪った。
最終18番では第2打を待つ間に駄菓子をむしゃむしゃ。キャディーを務める青木翔コーチ(36)と「ここでシャンクしたらかっこ悪いな~」と笑い合った。優勝を決めた下りのバーディーパットも「最後も強気で壁ドンで入ったので、やり切った~!」。この日も後半は5バーディー。インでの4日間18バーディーはそのまま貯金となった。笑顔を絶やさず、ハイタッチに気軽に応じる。加えて地元ファンから「あなたはプレーが速くていい」と声をかけられるほどのテンポの良さ。思い切りが良くて底抜けに明るいキャラクターがギャラリーも味方につけ、終盤の好プレーにつながった。
だが、笑顔の裏には大きなプレッシャーもあった。「苦しかった」。大会期間中は周囲に幾度となく「日本に帰りたい」とつぶやいた。それでも、つらさを見せないのは6月の出来事があったから。5月の初優勝後に低迷。道具に怒りをぶつけたとき、普段は温厚な青木コーチに怒鳴られた。「できないことをやろうとして、当たるのはやめろ」。はっとした。「自分らしくやろう」。天真爛漫(らんまん)さを貫いた。
優勝で米ツアーメンバーになる資格を獲得。だが、参戦の予定はない。「これからも日本で戦います。だって日本が好きだから」。世界をとりこにした笑顔は早速、9日開幕の北海道meijiカップ(札幌国際CC)で見られる。当面の目標は賞金1億円突破と東京五輪出場。昨年末563位の世界ランクは大会後、15位以内に浮上し、五輪出場圏内の日本勢2番手となる見通しだ。6日に凱旋。シンデレラストーリーの続きは日本が舞台となる。
○…渋野は米女子ツアーの自身初戦で優勝したが、これは1950年にスタートした同ツアーで過去に例のない記録だった。初年度となった1950年シーズンの開幕戦を除き、プロとして同ツアーのデビュー戦でいきなり勝ったのは1951年7月のイースタン・オープンを制したビバリー・ハンソンがいる。ただハンソンは前年、アマとしてテキサス・オープンに出場していた。渋野のように「初戦&初勝利」はツアー史上初めてだった。
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