比嘉 初Vで大会新26アンダー“小さな巨人”JGTO発足以降最小兵王者だ!

2019年09月02日 05:30

ゴルフ

比嘉 初Vで大会新26アンダー“小さな巨人”JGTO発足以降最小兵王者だ!
初優勝を祝福される比嘉(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 【男子ゴルフツアー RIZAP・KBCオーガスタ最終日 ( 2019年9月1日    福岡県糸島市 芥屋GC=7103ヤード、パー72 )】 首位で出た比嘉一貴(24=フリー)が66で回り、通算26アンダーの大会最多アンダー記録でツアー初優勝を飾った。1999年の日本ゴルフツアー機構発足以降、1メートル58のツアー最小兵チャンピオンが誕生した。5打差の2位に星野陸也(23=フリー)が入った。3戦連続Vを狙った石川遼(27=CASIO)は70の通算15アンダーで13位に終わった。
 5メートルのウイニングパットを決めた比嘉は、父・洋さん(57)の姿を見つけると涙をこらえきれなくなった。「勝って泣くとかないと思っていたのですが、家族の顔を見たら安心して」と2人で抱き合い、初優勝の喜びを分かち合った。

 鮮やかな逃げ切り勝ちだ。1番で7メートルのバーディーパットを沈めると、安定したショットとパットでスコアを伸ばす。最終18番では残り230ヤードから3Uで2オンに成功。圧巻のイーグルで観客の歓声を一身に浴びた。

 沖縄・本部高3年の時に体育の授業中に左手薬指を骨折した。卒業後はプロに転向する予定だったが、ツアー出場予選会の2次予選に進めなくなり、急きょ進路を変更。東北福祉大に進学した。そこでの出会いが運命を変えた。「伝説の先輩やOBと合宿したり、ナショナルチームにも入れて世界基準の指導も受けられた」

 2日目に63を出した後には、憧れの先輩の松山英樹からLINEで「ナイス」とメッセージが届いた。「僕は“これを出して勝てないとこの先はないぞ”という意味に感じて、いい結果を出していい報告をしたいと思いました」と発奮材料にした。獲得賞金は約3509万円となり一気にランク8位まで浮上。上位をキープできれば10月に日本で開催される米ツアーのZOZO選手権で憧れの先輩と同じ舞台に立てる。「その前に早くもう1勝したい。東京五輪にも出たい」。1メートル58、67キロの体には大きな夢が詰まっている。

 《比嘉の主な新記録》☆最小兵優勝 73年ツアー制度実施以降は73、74年中四国オープン連覇の増田光彦の1メートル57、58キロ。99年の日本ゴルフツアー機構(JGTO)発足後は比嘉が最小。
 ☆大会最多アンダー 11年の裵相文(ベサンムン)の通算22アンダーを更新。
 ☆大会最少ストローク 05年の伊沢利光の通算264ストロークを更新。

 《勝者のクラブ》▼1W=ブリヂストン・ツアーB XD―3(ロフト角10.5度、シャフトの長さ44.75インチ、硬さX)▼5W=同XD―F(18度)▼3、4UT=同XD―H(21、24度)▼5I~PW=同X―CB▼ウエッジ=同XW―B(51、55、58度)▼パター=オデッセイ・ラッキーセブンス(マレット型)▼ボール=ツアーB X

 ◆比嘉 一貴(ひが・かずき)
 ◇生まれ 1995年(平7)4月23日生まれ、沖縄県うるま市出身。
 ◇ゴルフ歴 10歳の時に父・洋さんにゴルフ場に連れていかれ、初めてクラブを握り17ホールを98で回った。「一回も空振りしなかった」。それを見て洋さんがゴルフを勧める。
 ◇ハンドボール 小学校時代はハンドボールで活躍。小6の時に九州大会のMVPに輝き九州選抜にも選ばれるが、中学進学後はゴルフ一本。
 ◇練習の虫 「どこかに遊びに行く時も練習してからじゃないと不安になる」と365日ゴルフ漬けの日々。風邪をひいても練習場へ。「練習すると熱も引くしコンディションも良くなる」
 ◇アイアンは短め 身長が1メートル58と小柄なためアイアンのシャフトを通常のものよりも数インチ短くカットしている。
 ◇飛ばし屋 今大会の最終日の平均飛距離は302・5ヤードでランク11位。
 ◇家族 両親と薬剤師の姉、小6のジュニアゴルファーの弟との5人家族。

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