31人中唯一のノンキャップ営業マン 北出 受注は「W杯が終わったら頼もうと思います」

2019年09月02日 05:30

ラグビー

31人中唯一のノンキャップ営業マン 北出 受注は「W杯が終わったら頼もうと思います」
練習場に到着した北出。右はヴァル アサエリ愛(撮影・篠原岳夫) Photo By スポニチ
 ラグビー日本代表は1日、W杯前最後の実戦となる南アフリカ戦に向け、都内で練習を開始した。W杯メンバー31人で唯一ノンキャップのフッカー北出卓也(26=サントリー)は、同戦での代表デビューを熱望。フッカー3番手扱いでのサプライズ選出から、さらなる台頭へ。4年前はサントリー同期のSH流大らとテレビ観戦していた南ア戦から、成り上がる。
  パシフィックネーションズ杯はメンバーを外れ、春の強化試合は6試合中2試合に途中出場しただけ。それでも先週の網走合宿でアピールし、W杯代表初選出。北出は「素直にうれしい。同時に責任も感じてる」とやや緊張の面持ちで語った。

 最終的にはサントリーで同僚の堀越と争った中、明暗を分けたのはラインアウトのスローイング技術。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチも技術を高く評価しており、「自分でも武器だと思っている」と話した。3月に加わったガルブレイス・メンタルコーチに助言を求め「投げる時に意識するのは無になること。メンタルコーチに聞いて取り入れた」と安定感も向上した。

 ノンキャップのW杯代表選出は、03年大会のSH辻高志らまでさかのぼる。社員選手もCTB中村との2人だけ。日本でもプロ化が進み“レアキャラ”となりつつあるが「横浜支店で営業をしている。得意先にも報告した。受注はなかったけど」。活躍次第で社業にも好影響を与えそうで「W杯が終わったら(発注を)頼もうと思います」と予告した。

 東海大では6月に交番襲撃事件で刺された大阪府警の古瀬鈴之佑巡査と同期だった。選出前には直接会って、「頑張ってほしい」とエールを送られたという北出。選出された喜び、ラグビーができる喜びを南ア戦で表現する。

 ◆北出 卓也(きたで・たくや)1992年(平4)9月14日生まれ、京都市出身の26歳。コーチだった父の影響で3歳でラグビーを始める。大阪・東海大仰星時代には高校日本代表に選出。東海大から15年にサントリー入りし、同年11月の開幕戦で公式戦初出場。今年2月に始まった代表候補合宿メンバーに選ばれ、W杯代表入りした。ポジションはフッカー。1メートル80、102キロ。家族は両親と兄3人。

 《ベテラン田中 チームに還元》3度目のW杯に挑むSH田中は「年齢も年齢。もう一度、日本のために体を張れるのは光栄」と喜びをかみしめた。34歳のベテランに求められるのは、これまでの経験をチームに還元すること。「プレッシャーがかかる選手が必ず出るので、助言できたらいい」とオフピッチでの貢献も約束した。7月の宮崎合宿で右ふくらはぎを故障したプロップ中島は「もう大丈夫。練習も全部できた」と万全を強調。選出され、妻とは泣いて喜び合ったといい「強いアタック、キャリーを見せたい」と誓った。

おすすめテーマ

2019年09月02日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム