【玉ノ井親方 視点】栃ノ心破った朝乃山 立ち合いの圧力で安定感

2019年09月09日 20:22

相撲

【玉ノ井親方 視点】栃ノ心破った朝乃山 立ち合いの圧力で安定感
<大相撲秋場所2日目>栃ノ心を寄り切りで破る朝乃山(撮影・郡司 修) Photo By スポニチ
 【大相撲秋場所2日目 ( 2019年9月9日    両国国技館 )】 朝乃山が初日の御嶽海戦、そしてこの日の栃ノ心戦といい相撲を見せている。立ち合いで当たって左上手を取ると、一気に前に出た。自分の形になってからの攻めが速く力強かった。
 夏場所で優勝し、注目を集めた名古屋場所は7勝8敗と負け越し。結果は出せなかったが、成長の跡は感じられた。以前にも増して、立ち合いで相手に圧力をかけられるようになった。それが安定感につながっている。立ち合いでしっかり当たれているから、まわしも素早く取れる。まだ2日目が終わったばかりだが、今場所楽しみな力士の一人だ。ただ、これからは対戦相手のマークも厳しくなるはず。そう簡単には、自分の思うような相撲を取らせてもらえなくなるだろう。それでも、前に出る相撲に徹していればおのずと結果は付いてくるはずだ。

 白鵬は場所前の稽古で右第5中手骨を骨折したようだ。稽古ではそんな感じを見せなかったが、小指はまわしを取るときに指をひっかける一番重要なところ。特に横綱の場合は、右でも左でも下手を引いて取りたいタイプ。小指をひっかけられないと、まわしも取りづらくなる。そういう意味で、指に不安があると自分の相撲を取り切れない難しさがある。

 最近はケガによる休場が多くなった。年齢的な衰えもあるだろうが、42回の優勝を重ねるうちに蓄積した勤続疲労もあるだろう。年を重ねるとケガも治りづらくなる。本人も分かっていると思うが、今は焦らず自分で思うような相撲が取れるようになるまで、自分のペースで体を戻していけばいいのではないか。(元大関・栃東)

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