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リーチの目に涙 “鬼”と化したW杯 「このチームのキャプテンをできて誇りに思う」

2019年10月22日 05:30

ラグビー

リーチの目に涙 “鬼”と化したW杯 「このチームのキャプテンをできて誇りに思う」
会見で神妙な面持ちを見せる主将のリーチ(撮影・篠原岳夫) Photo By スポニチ
 【ラグビーW杯2019 南ア戦から一夜明け会見 】 ラグビー日本代表が、南アフリカに敗れた準々決勝から一夜明けた21日、都内で会見を開いた。リーダーとして史上初の8強に導いたフランカーのリーチ・マイケル主将(31=東芝)は、終了後の最後のチームミーティングで、“涙の解散宣言”。大会中に「鬼になる」とまで宣言した闘将が、ようやくプレッシャーから解放された。
 リーチが泣いた。会見後の宿泊先での昼食会は“最後のチーム・ミーティング”を兼ねていた。協会広報によると「このチームのキャプテンをできて、誇りに思う」と感極まりながらスピーチしたという。史上初の8強。列島に起こした大フィーバー。日本ラグビー史に偉業を刻んだメンバーが、主将の涙で解散した。

 南アフリカに敗れた前日は、冷静だった。この日の昼食会前の会見でも、堂々としていた。用意した150席が報道陣で全て埋まる中、代表での歳月を振り返り「ベスト8が凄くうれしい。そのために、いろんな人が犠牲にしてやってきた」と淡々と語っていた。

 怒濤(どとう)の1カ月だった。超満員、高視聴率。かつてない注目を集めた。ボールを持てば、観衆が低い声で「リーチ」と叫ぶ新たな応援文化も生まれた。

 この人気をいかに次へつなげるか――。「日本代表は強いまま継続すること」。自国開催で咲いた花に、「強化、ファンサービス」という水を絶えず与える重要さを訴えた。協会、選手が一体になって取り組む課題だ。

 ジョセフHCも晴れ晴れとしていた。「本当に素晴らしいのは信頼関係を構築したこと。多くの時間がかかったけど、目標を達成できた」。主将だけに頼らないリーダー制など、新しい手法で歴史をつくり上げた。

 リーチは、日の丸の重責からいったん解放される。試合の24時間前からスマートフォンの電源を切り、家族との連絡さえも遮断。ホテルに持ち込んだマイ・コーヒーマシンで注いだ一杯を口にしながら、試合に集中する。孤独なルーティンを続け、チームを引っ張った。主将を務めた15年と19年W杯は快挙ずくめ。「最高のキャプテン」の称号がふさわしい。 (倉世古 洋平)

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